第112回 看護師国家試験 午前 問6 解説
📝 問題
緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 緩和ケアの目標は、患者と家族のQOL(生活の質)の向上である。
世界保健機関(WHO〈ダブリューエイチオー〉)の定義によれば、緩和ケアは生命を脅かす疾患に伴う問題に直面する患者と家族に対し、痛みその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛を早期に見いだし対処することで、QOLを改善するアプローチである。 目標はQOLの向上である。
国試では緩和ケアの目的・対象・開始時期が問われる。緩和ケアは治癒や延命そのものを第一目標とせず、また終末期に限らず診断早期から治療と並行して行える点が重要である。「治す」のではなく「その人らしく生きることを支える」という発想を押さえておくと、関連する設問に一貫して対応できる。
スピリチュアルな苦痛とは
「なぜ自分がこんな目に」「生きる意味は何か」といった、存在や価値をめぐる苦しみ。宗教的な悩みだけを指すわけではない。
- 1
疾病の治癒不正解
疾病の治癒は緩和ケアの第一目標ではなく、治癒困難な状況でも行われる。
- 2
余命の延長不正解
余命の延長を主目的とはせず、延命の可否にかかわらず苦痛緩和を目指す。
- 3
QOLの向上正解
苦痛の緩和を通じて患者と家族のQOLを向上させることが緩和ケアの目標である。
- 4
在院日数の短縮不正解
在院日数の短縮は医療経営上の指標であり、緩和ケアの目標ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
WHOの緩和ケアの定義(2002年)で押さえるべき要点。
- 対象は患者と家族(家族も支援の対象に含まれる)
- 開始時期は終末期に限らず診断された時からで、治療と並行して行える
- 苦痛は全人的苦痛(トータルペイン)として、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4側面でとらえる
- 死を早めることも、いたずらに遅らせることもしない
- 遺族へのグリーフケア(死別後の支援)も緩和ケアに含まれる
参考: 世界保健機関〈WHO〉緩和ケアの定義
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について