第112回 看護師国家試験 午前 問24 解説
📝 問題
CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ CO2ナルコーシスでは高二酸化炭素血症により意識障害を来す。
CO2ナルコーシスは、慢性的にCO2が貯留した患者に高濃度酸素を投与するなどして換気が抑制され、動脈血中の二酸化炭素が著しく増加することで生じる。主症状は自発呼吸の抑制、高度のCO2貯留に伴う意識障害(傾眠から昏睡へ)、および呼吸性アシドーシスであり、羽ばたき振戦を伴うこともある。
国試ではCO2ナルコーシスの機序と症状が頻出する。慢性閉塞性肺疾患(COPD〈シーオーピーディー〉)などの慢性II型呼吸不全では、酸素投与により低酸素による呼吸刺激が失われ、換気がさらに低下する。そのため酸素は低流量から慎重に始める。
呼吸性アシドーシスとは
換気が足りずに二酸化炭素が体にたまり、血液が酸性に傾いた状態のこと。
羽ばたき振戦とは
手首を反らせて手を広げると、鳥が羽ばたくように手が上下に震える所見。CO2の貯留や肝性脳症でみられる。
- 1
咳嗽不正解
咳嗽はCO2ナルコーシスに特徴的な症状ではない。
- 2
徐脈不正解
徐脈はCO2ナルコーシスの主症状とはいえない。
- 3
浮腫不正解
浮腫は主に心不全や腎障害でみられ、CO2ナルコーシスの症状ではない。
- 4
意識障害正解
高度のCO2貯留により意識障害(傾眠〜昏睡)を来すのがCO2ナルコーシスである。
📚 ここも一緒におさえておこう
CO2ナルコーシスは、起こる仕組みと症状、そのときの対応までまとめて覚える。
- 機序:慢性II型呼吸不全ではCO2に対する換気応答が鈍く、低酸素の刺激が呼吸を保っている。高濃度酸素でこの刺激が失われると換気が低下する
- 三徴は意識障害・自発呼吸の減弱・呼吸性アシドーシス
- 前駆症状として頭痛、発汗、顔面紅潮、羽ばたき振戦、血圧上昇がみられる
- COPD患者の酸素投与ではSpO2 88〜92%程度を目標とし、漫然と高流量にしない
- 発症時は酸素を下げるだけでは不十分で、非侵襲的陽圧換気(NPPV)や人工呼吸などの換気補助が必要になる
参考: 標準的な呼吸器病学(CO2ナルコーシスの病態と症状)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について