第109回 看護師国家試験 午後 問95 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。 A さん(56歳、女性、会社員)は腹痛・嘔吐で救急外来を受診し、総胆管結石を認めた。総ビリルビン8.7 mg/dL、直接ビリルビン7.2 mg/dL、体温38.2 ℃。A さんは、緊急で内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を受ける方針となった。 検査前に看護師が行う説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・5

💡 解説

✅ ERCPは咽頭麻酔を行い、検査後合併症に膵炎がある。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は、内視鏡を口から十二指腸まで入れ、乳頭部からカテーテルで造影剤を胆管・膵管へ直接注入する検査である。 上部消化管内視鏡と同じように、咽頭(のど)に局所麻酔を行う。 膵管の出口を操作するので、最も注意すべき合併症はERCP後膵炎である。

磁力を使うのはMR胆管膵管撮影(MRCP)で、ERCPは内視鏡で行う検査である。 造影剤は静脈からではなく、カテーテルで胆管・膵管へ直接注入する。 体位は腹臥位(うつ伏せ)または半腹臥位が基本で、仰向けではない。

乳頭部とは

十二指腸の壁にある、胆管と膵管が合流して開く出口。ここから細い管を入れて造影剤を注入する。

  • 1

    「のどに麻酔をします」正解

    内視鏡を口から入れるため、咽頭に局所麻酔を行う。正しい説明。

  • 2

    「磁力を使った検査です」不正解

    磁力を使うのはMRCP。ERCPは内視鏡による検査である。

  • 3

    「造影剤を静脈から投与します」不正解

    造影剤は静脈からではなく、内視鏡下にカテーテルで胆管・膵管へ直接注入する。

  • 4

    「検査は仰向けで行います」不正解

    ERCPは腹臥位・半腹臥位で行うのが基本で、仰臥位ではない。

  • 5

    「検査後の合併症に膵炎があります」正解

    膵管への造影や操作により、ERCP後膵炎が最も重要な合併症として起こりうる。正しい説明。

📚 一緒に確認しよう

ERCPは、検査前の準備と検査後に見張る合併症がセットで問われる。「のどの麻酔」と「ERCP後膵炎」を軸に、前後の看護を並べて覚えよう。

  • 検査前は絶飲食とし、義歯・眼鏡をはずす
  • 抗血栓薬をのんでいれば、休薬の指示を確認する
  • 咽頭麻酔の効果が残る間は誤嚥の危険があるため、検査後1〜2時間は飲水・食事を控える
  • 検査後は血清アミラーゼの上昇と腹痛・発熱の有無を観察し、ERCP後膵炎を早く見つける
  • ERCPは診断だけでなく、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)による採石や胆管ドレナージなど、治療にも使える
  • 磁力を用いるMRCPは非侵襲的で膵炎の危険がないが、処置はできない。結石を取るなどの治療が必要なときはERCPを選ぶ

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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