第109回 看護師国家試験 午後 問88 解説
📝 問題
胃食道逆流症で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 胃食道逆流症は下部食道括約筋の弛緩が関与し、H2受容体拮抗薬で症状が緩和する。
胃食道逆流症(GERD)は、胃の内容物が食道へ逆流して食道の粘膜が傷ついたり、胸やけ・呑酸といった症状が出たりする病気である。 逆流を防いでいる下部食道括約筋(LES)がゆるんだり、働きが落ちたりすることが発症に関わる。 胃酸の分泌を抑えるH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬を使うと、こうした症状はやわらぐ。
GERDは加齢や肥満を背景に中高年で増える病気で、青年期に多いわけではない。 高脂肪食は下部食道括約筋をゆるめ、胃に食べ物がとどまる時間も延ばすため、逆流を強める。 食後すぐに横になること自体が逆流を招くので、左側臥位で休むよう勧めるのは適切でない。
逆流を防ぐ工夫は、食べ方・食後の姿勢・腹圧の3つに分けて考えると整理しやすい。
呑酸とは
胃酸が食道から口のほうまで上がってきて、酸っぱい・苦い液がこみ上げてくる感じ。
- 1
青年期に多い。不正解
GERDは加齢・肥満を背景に中高年に多く、青年期に多いわけではない。
- 2
高脂肪食の摂取を勧める。不正解
高脂肪食は下部食道括約筋を弛緩させ逆流を助長するため勧めない。
- 3
食後は左側臥位で休息する。不正解
食後は頭部挙上が勧められ、側臥位での休息を一律に勧めるのは適切でない。
- 4
下部食道括約筋の弛緩が関与する。正解
下部食道括約筋の弛緩・機能低下がGERDの発症に関与する。
- 5
H2受容体拮抗薬によって自覚症状が緩和する。正解
H2受容体拮抗薬などの酸分泌抑制薬で自覚症状が緩和する。
📚 ここも一緒におさえておこう
GERDは、生活指導の内容がそのまま選択肢になって問われる。下部食道括約筋を「ゆるめるもの」と、腹圧を「上げるもの」に分けて覚えよう。
- 逆流を助長する食品=高脂肪食・チョコレート・コーヒー・アルコール・炭酸飲料・柑橘類・香辛料
- 就寝前2〜3時間は食事を控え、食後すぐに横にならない
- 就寝時は上半身を10〜15cm挙上すると、夜間の逆流が減る
- 肥満・前かがみの姿勢・きつい衣服・便秘は腹圧を高めるため避ける
- 逆流性食道炎が長く続くとBarrett(バレット)食道となり、食道腺癌のリスクになる
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について