第109回 看護師国家試験 午後 問70 解説
📝 問題
A さん(55歳、男性)は、妻と2人暮らし。建築士として主にデスクワークの仕事を行っていた。脊髄損傷のため下半身の不完全麻痺となり、リハビリテーション専門の病院へ転院した。電動車椅子を用いて室内の動作は自立できるようになった。退院調整部門の看護師との面接で A さんから「元の職場に戻りたい」と話があった。 A さんの自己決定を支援する看護師の助言で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 本人の自己決定を支援するには課題を一緒に整理する助言が適切である。
A さんは「元の職場に戻りたい」という意思を明確に示している。自己決定を支援する看護師の役割は、本人の希望を尊重しつつ、その実現に向けて何が課題となるかを本人とともに具体的に整理し、主体的な意思決定を支えることである。
在宅勤務への変更や職場復帰の可否を看護師が一方的に判断・提案すること、また本人の希望する職場を否定して別の職場を探すよう促すことは、いずれも本人の自己決定を尊重していない。 自己決定支援では、本人が選べる道を狭めず、考えを整理できるよう寄り添う姿勢が重要である。
- 1
「元の職場の仕事を在宅勤務に変更しましょう」不正解
在宅勤務への変更を看護師が決めるのは本人の自己決定を尊重していない。
- 2
「デスクワークなので職場復帰は可能と思います」不正解
看護師が可否を断定するのは支援ではなく、課題整理を促していない。
- 3
「職場復帰にあたり A さんが課題と思うことを整理しましょう」正解
本人が課題と考えることを一緒に整理するのは自己決定支援として適切。
- 4
「元の職場にこだわらず A さんの障害にあった職場を探しましょう」不正解
本人の希望する職場を否定して別を探すよう促すのは自己決定の尊重に反する。
📚 ここも一緒におさえておこう
就労支援の窓口は、名前と役割を入れ替えて問われる。どこが何をしてくれるのかを対にして覚えよう。 脊髄損傷後の職場復帰は医療だけで完結せず、就労支援の社会資源と組み合わせて進める。
- ハローワークの専門援助部門で、障害のある人の職業相談・職業紹介を受けられる
- 地域障害者職業センターでは職業評価・職業準備支援・ジョブコーチによる支援が受けられる
- 障害者就業・生活支援センターは、就業面と生活面の相談を一体的に行う
- 職場側には合理的配慮(通勤方法、机や通路の幅、トイレの改修、勤務時間の調整など)の提供が求められる
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について