第109回 看護師国家試験 午後 問66 解説
📝 問題
アギュララ, D. C. が提唱した危機(クライシス)を回避する要因で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 危機回避の3要因の一つは適切な対処機制である。
アギュララ(Aguilera, D. C.)は、危機(クライシス)を回避できるかどうかを左右する均衡保持要因として、①出来事の知覚(現実的な認知)、②社会的支持(ソーシャルサポート)、③対処機制(コーピングメカニズム)の3つを挙げた。 これらが適切に機能すれば危機は回避されると説明される。
情緒的サポートは社会的支持の一部ではあるが、3要因の名称としては「社会的支持」が正式である。 「問題志向」と「情動志向」という分け方はラザルスらのもので、アギュララの3要因とは別の枠組みである。 ソーシャルインクルージョンは社会的包摂を指す別概念である。
コーピングとは
ストレスのもとになる出来事に対して、その人がとる対処のしかた。問題そのものに働きかける型と、わき起こった感情を整える型がある。
- 1
情緒的サポート不正解
情緒的サポートは社会的支持の一部だが、3要因の正式名称としては適切でない。
- 2
適切な対処機制正解
対処機制(コーピング)はアギュララの危機回避3要因の一つ。
- 3
問題志向のコーピング不正解
問題志向のコーピングはラザルスらのコーピング分類の概念。
- 4
ソーシャルインクルージョン不正解
ソーシャルインクルージョンは社会的包摂を指す別概念。
📚 混同しやすいので注意
アギュララとフィンクは、名前を入れ替えて問われる。アギュララは危機を回避する要因、フィンクは危機に陥ったあとの回復過程と、扱っている場面で見分けよう。
| 段階 | 特徴 |
|---|---|
| ①衝撃 | 強い不安・混乱・パニック。思考がまとまらない |
| ②防御的退行 | 否認や現実逃避で自分を守ろうとする |
| ③承認 | 現実に直面し、抑うつや悲嘆が生じる |
| ④適応 | 新しい価値観のもとで建設的に対処し始める |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について