第109回 看護師国家試験 午後 問102 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。 A ちゃん(5歳、男児)はムンプス髄膜炎と診断された。A ちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院3日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。妹の B ちゃん(3歳)はおたふくかぜワクチン未接種である。 父親への看護師の回答で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ムンプスの合併症である難聴(聴こえ方)に注意するよう伝える。
ムンプス難聴は流行性耳下腺炎の合併症で、片側性の高度感音難聴として残ることが多い。 片耳だけだと子どもは自分から訴えないので、退院後は呼びかけへの反応やテレビの音量など、聴こえ方の変化に家族が気づけるよう伝える。
他の選択肢は、いまのAちゃんに当てはまらない。 精巣炎は思春期以降の男性で問題になる合併症で、5歳ではまれである。 登園を止める期間は「耳下腺などの腫脹が現れた後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで」で、一律に1週間ではない。 Bちゃんへのワクチンは今後の発症を防ぐ意義があるが、すでに曝露したあとの接種で今回の感染を確実に防げるわけではない。
感音難聴とは
内耳や聴神経が傷ついて起こる難聴。音を伝える部分の障害である伝音難聴と違い、いったん失うと戻りにくい。
- 1
「A ちゃんの精巣の腫れに注意してください」不正解
精巣炎は主に思春期以降の合併症で、5歳児で優先的に注意すべき内容ではない。
- 2
「A ちゃんは退院後1週間は登園できません」不正解
登園停止は腫脹発現後5日かつ全身状態良好までで、一律1週間ではない。
- 3
「A ちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」正解
ムンプス難聴は重要な合併症で後遺症となりうるため、聴こえ方への注意は適切。
- 4
「A ちゃんから B ちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」不正解
「明日までの接種で効果的」という断定は不正確で、曝露後接種の効果も限定的。
📚 国試でよく狙われるところ
流行性耳下腺炎は、合併症とワクチンの扱いが繰り返し問われる。合併症は、どの年齢で問題になるかとセットで覚えよう。
- 主な合併症=無菌性髄膜炎(最も多い)、ムンプス難聴、思春期以降の精巣炎/卵巣炎、膵炎
- ムンプス難聴は治療で戻らないことが多く、ワクチンでの予防が大切である
- 唾液腺の炎症を反映して血清アミラーゼが上昇する
- おたふくかぜワクチンは任意接種の生ワクチンで、1歳以上での2回接種が勧められている
- 注射生ワクチンどうしは27日以上の間隔をあけて接種する
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について