第109回 看護師国家試験 午前 問79 解説

📝 問題

重症筋無力症で正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 重症筋無力症は自己免疫疾患である。

重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体などに対する自己抗体が産生され、神経から筋への信号伝達が障害される自己免疫疾患である。国の指定難病でもある。 「自己免疫疾患である」が正しい。

性別では女性に多い(男性に多いは誤り)。心肥大は本疾患の特徴ではない。症状は使い続けると悪化する易疲労性があり、朝は比較的軽く夕方に悪化する日内変動がみられるため「朝に症状が強くなる」は誤り。好発年齢は二峰性で、若年女性と中高年に多く、70歳以上に好発するとは限らない。 特徴的な初発症状は眼瞼下垂・複視である。 国試では自己免疫機序・易疲労性・日内変動が頻出である。

神経筋接合部とは

神経の終わりと筋肉のつなぎ目。神経から出たアセチルコリンを筋肉側の受容体が受け取ることで筋が縮む。

  • 1

    男性に多い。不正解

    重症筋無力症は女性に多く、男性に多いは誤りである。

  • 2

    心肥大を生じる。不正解

    心肥大は重症筋無力症の特徴ではない。

  • 3

    朝に症状が強くなる。不正解

    症状は夕方に悪化する日内変動を示し、朝に強くなるのではない。

  • 4

    自己免疫疾患である。正解

    アセチルコリン受容体に対する自己抗体が原因の自己免疫疾患である。

  • 5

    70歳以上に好発する。不正解

    好発は二峰性で若年女性・中高年に多く、70歳以上に好発とは限らない。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

重症筋無力症は、神経から筋への信号を受け取る側(アセチルコリン受容体)が自己抗体で壊される病気。 受け取り手が減っているので、使うほど弱る(易疲労性)、朝は軽く夕方に悪化する、という特徴が生まれる。

  • 診断には抗アセチルコリン受容体抗体の測定や、抗コリンエステラーゼ薬で症状が一時的に改善するかをみるテンシロン試験を用いる。
  • 胸腺腫や胸腺過形成の合併が多く、胸腺摘出術が行われることがある。
  • 感染・手術・過労・出産・薬剤などを契機に呼吸筋麻痺をきたす筋無力症クリーゼに注意し、人工呼吸管理を要することがある。
  • 治療は抗コリンエステラーゼ薬、副腎皮質ステロイド・免疫抑制薬、血液浄化療法、免疫グロブリン大量療法など。
重症筋無力症とLambert-Eaton筋無力症候群
重症筋無力症Lambert-Eaton筋無力症候群
障害部位神経筋接合部の後(アセチルコリン受容体)神経終末の電位依存性カルシウムチャネル
筋力の変化反復すると低下する(易疲労性)反復すると一時的に増強する
主症状眼瞼下垂・複視から始まりやすい下肢近位筋の脱力、自律神経症状
合併胸腺腫・胸腺過形成小細胞肺癌

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第109回の問題一覧を見る