第109回 看護師国家試験 午前 問70 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

A さん(85歳、女性)は、要支援1で介護予防通所リハビリテーションを月2回利用している。A さんから「最近排便が3〜4日に1回しかなくて、お腹が張って困っている」と通所施設の看護師に相談があった。 看護師が行う A さんへの便秘に対する助言で適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 便秘への助言として、毎日朝食後に便座に座り排便習慣をつける。

高齢者の便秘(機能性便秘)では、規則的な排便習慣を取り戻すことが基本になる。 とくに朝食後は胃・結腸反射が起こりやすく、大腸の蠕動が高まって排便が促される。 毎日この時間に便座に座る習慣づけが、最も適した助言である。

就寝前に一度に多量(500 mL)の水を飲むのは夜間頻尿や睡眠障害を招きやすい。水分は日中にこまめに摂るのがよい。 要支援1・85歳の女性に「1日1万歩」は過大な目標で、現実的ではない。 便秘対策としては蛋白質より食物繊維や水分の摂取が有効で、蛋白質を多めに摂っても便秘は改善しない。 国試では胃・結腸反射を利用した排便習慣づけが頻出である。

  • 1

    毎日、朝食後に便座に座る。正解

    朝食後は胃・結腸反射で排便が促されやすく、規則的な排便習慣づけに適する。

  • 2

    就寝前に水を500 mL飲む。不正解

    就寝前に500 mLもの水分摂取は夜間頻尿や睡眠障害を招きやすい。

  • 3

    1日1万歩を目標に歩く。不正解

    要支援1の高齢女性に1日1万歩は過大で現実的な目標ではない。

  • 4

    蛋白質を多めに摂る。不正解

    便秘対策には食物繊維や水分が有効で、蛋白質を多めに摂ることは効果的でない。

📚 ここも一緒におさえておこう

高齢者の便秘対策は、下剤に頼る前に生活習慣を整えるのが基本。 ・決まった時間にトイレに座る ・水分を日中にこまめにとる ・食物繊維をとる ・無理のない範囲で体を動かす

  • 胃・結腸反射は起床後・朝食後に最も強く起こる。この時間帯に便意がなくてもトイレに座る習慣づけが有効。
  • 排便時は前傾姿勢で足底を床につけると腹圧がかかりやすい(足台の利用も有効)。
  • 便秘を起こしやすい薬剤に抗コリン薬・オピオイド・カルシウム拮抗薬・抗うつ薬などがある。
  • 刺激性下剤の連用は耐性や大腸メラノーシスを招くため、まずは浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)を用いることが多い。
機能性便秘の分類
分類特徴と対応
弛緩性便秘大腸の蠕動低下。高齢者・臥床者に多い。食物繊維・水分・運動が有効
痙攣性便秘副交感神経の過緊張で兎糞状便。過敏性腸症候群に伴う。不溶性食物繊維の摂りすぎは避ける
直腸性便秘便意の我慢の繰り返しで直腸の反射が低下。排便習慣づけが有効

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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