第109回 看護師国家試験 午前 問111 解説
📝 問題
在胎39週4日、正常分娩で出生した児。生後3日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温37.0 ℃、呼吸数40/分、心拍数130/分。体重2,680 g。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は6回/日、便は2回/日で移行便である。 児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 体重減少率が生理的範囲を逸脱している。
生後3日の新生児では生理的体重減少がみられるが、その範囲は出生体重の5〜10%までとされる。 この児は出生体重3,000 gに対し生後3日で2,680 gで、減少率は約10.7%である((3000−2680)÷3000×100≒10.7%)。 生理的な範囲の上限を超えており、哺乳量不足や脱水を疑う逸脱所見である。
他の4つはいずれも生理的な範囲におさまる。体温37.0 ℃・呼吸数40/分・心拍数130/分は、どれも新生児の目安どおりである。 顔面と胸部の黄染は、頭側から始まる黄疸の広がり方として時期どおりである。 手関節・足関節の落屑は、正期産児によくみられる皮膚の変化である。
落屑とは
皮膚の表面が粉のように細かくはがれ落ちること。正期産で生まれた児では手首や足首にみられ、生理的な変化である。
- 1
体温不正解
体温37.0 ℃は新生児の正常範囲内である。
- 2
呼吸数不正解
呼吸数40/分は新生児の正常範囲内である。
- 3
皮膚色不正解
顔面・胸部の黄染は生後2〜3日に出現する生理的黄疸として矛盾しない。
- 4
体重減少率正解
出生3,000 gから2,680 gへの約10.7%の減少は生理的範囲(〜10%)を超え、逸脱所見である。
- 5
皮膚の落屑不正解
手足関節の落屑は正期産児にみられる生理的な皮膚変化で逸脱ではない。
📚 国試でよく狙われるところ
新生児の「生理的」な変化は、時期と範囲をセットで問われる。数値と時期を対にして覚えよう。
- 体重減少が10%を超えるときは、哺乳量不足や脱水を疑う。
- 生後24時間以内に出現する黄疸(早発黄疸)は病的で、血液型不適合などを疑う。
- 黄染は顔面→体幹→四肢へと頭側から進む。
- 新生児のバイタルの目安は、体温36.5〜37.5 ℃、呼吸数40〜60回/分、心拍数120〜160回/分。
- 手関節・足関節の落屑、中毒性紅斑、新生児仮性月経、魔乳は、いずれも生理的な現象。
| 現象 | 時期の目安 |
|---|---|
| 生理的体重減少(出生体重の5〜10%) | 生後3〜5日に最低、7〜10日で出生体重に戻る |
| 生理的黄疸 | 生後2〜3日に出現、4〜5日ころ最強、7〜10日で軽快 |
| 胎便→移行便→乳便 | 胎便は生後24時間以内に排出、移行便は生後3〜5日ころ |
| 臍帯の脱落 | 生後5〜10日ころ |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について