第108回 看護師国家試験 午後 問90 解説
📝 問題
妊娠36週の妊婦にNST〈non-stress test〉を行うため、分娩監視装置を装着することになった。 妊婦への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・3
💡 解説
✅ NST(ノンストレステスト)では「胎児の健康状態を判定します」「排尿を済ませて下さい」と説明する。
NST(ノンストレステスト)は、陣痛のない安静時に胎児心拍数と子宮収縮を分娩監視装置で記録し、心拍数の変動や一過性頻脈の有無から胎児の健康状態(well-being)を評価する検査である。 検査は一定時間の安静を要するため、事前に排尿を済ませておくと中断を防げる。
所要時間は通常20〜40分程度で、10分では足りない。 妊娠後期は仰臥位低血圧症候群を避けるため、セミファウラー位や側臥位で行う。 腹壁には胎児心拍用と子宮収縮(陣痛)用の2本のベルトを装着する。
仰臥位低血圧症候群とは
妊娠後期に仰向けで寝ると、大きくなった子宮が下大静脈を圧迫して心臓へ戻る血液が減り、血圧が下がって気分不良や冷汗を起こす状態。
- 1
「胎児の健康状態を判定します」正解
NSTは胎児心拍数の変化から胎児の健康状態を判定する検査である。
- 2
「所要時間は10分です」不正解
所要時間は通常20〜40分程度であり、10分では胎児の状態を十分に評価できない。
- 3
「排尿を済ませて下さい」正解
一定時間の安静を要するため、検査前に排尿を済ませておくよう説明する。
- 4
「仰向けで行います」不正解
仰臥位は仰臥位低血圧症候群を招くおそれがあり、セミファウラー位や側臥位で行うため仰向けとの説明は誤り。
- 5
「固定用ベルトを1本使用します」不正解
胎児心拍用と子宮収縮用の2本のベルトを装着するため、1本使用との説明は誤り。
📚 国試でよく狙われるところ
NSTは胎児心拍数図の読み方とセットで問われる。 基線と一過性変動の基準を押さえる。
- 一過性頻脈が確認できる状態をリアクティブといい、胎児の健康状態は良好と判断する
- 妊娠後期はセミファウラー位または側臥位で実施し、仰臥位低血圧症候群を避ける
- 装着するベルトは胎児心拍用と子宮収縮(陣痛)用の2本
| 項目 | 基準・意味 |
|---|---|
| 心拍数基線 | 110〜160 bpmが正常。110未満で徐脈、160超で頻脈 |
| 一過性頻脈 | 15 bpm以上の上昇が15秒以上(妊娠32週未満は10 bpm・10秒) |
| 早発一過性徐脈 | 子宮収縮と同時に出現。児頭圧迫による |
| 遅発一過性徐脈 | 子宮収縮に遅れて出現。胎盤機能不全を示唆 |
| 変動一過性徐脈 | 不規則に出現。臍帯圧迫による |
参考: 医学書院「系統看護学講座 母性看護学」/日本産科婦人科学会 ガイドライン
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について