第108回 看護師国家試験 午後 問84 解説
📝 問題
アナフィラキシーショックで正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ アナフィラキシーショックは重症例では死に至り、気道粘膜の浮腫を生じる。
アナフィラキシーはⅠ型(即時型)アレルギー反応で、IgEを介してヒスタミンなどの化学伝達物質が一気に放出され、全身に症状が出る。 喉頭浮腫を含む気道粘膜の浮腫は気道をふさぎ、血管が広がって起こる血圧低下(ショック)とあわせて、重症例では死に至る。
他の選択肢は誤りである。ショックでは代償として頻脈になることが多く、徐脈は典型ではない。Ⅲ型アレルギーは免疫複合体が組織に沈着して起こる反応で、アナフィラキシーとは機序が違う。 副腎皮質ステロイドは補助的に使う薬で、禁忌ではない。第一選択はアドレナリンである。
IgE〈アイジーイー〉とは
アレルギーに関わる免疫グロブリンの一種。原因物質と結びつくと、肥満細胞からヒスタミンが放出される。
- 1
徐脈になる。不正解
アナフィラキシーショックでは代償性に頻脈となることが多く、徐脈は典型的ではない。
- 2
重症例では死に至る。正解
気道閉塞や循環虚脱により、重症例では死に至ることがある。
- 3
気道粘膜の浮腫を生じる。正解
喉頭浮腫など気道粘膜の浮腫を生じ、気道閉塞の原因となる。
- 4
Ⅲ型アレルギー反応である。不正解
アナフィラキシーはⅠ型(即時型)アレルギー反応であり、Ⅲ型ではない。
- 5
副腎皮質ステロイドは禁忌である。不正解
副腎皮質ステロイドは補助的に用いられる薬剤であり禁忌ではない。第一選択はアドレナリンである。
📚 ここも一緒におさえておこう
アナフィラキシーは、病態だけでなく起きたあとの対応まで問われる。アドレナリンが第一選択、と結びつけて覚えよう。
- アナフィラキシーの第一選択はアドレナリンの筋肉内注射(大腿前外側)
- 既往のある患者にはアドレナリン自己注射薬を携帯・使用できるよう指導する
- 症状がいったん改善しても二相性反応があるため経過観察が必要
| 型 | 機序 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| Ⅰ型(即時型) | IgEと肥満細胞 | アナフィラキシー、気管支喘息、花粉症、蕁麻疹 |
| Ⅱ型(細胞傷害型) | IgG・IgMと補体 | 不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病 |
| Ⅲ型(免疫複合体型) | 免疫複合体の沈着 | 全身性エリテマトーデス、急性糸球体腎炎、血清病 |
| Ⅳ型(遅延型) | T細胞・マクロファージ | ツベルクリン反応、接触皮膚炎、移植拒絶反応 |
参考: 日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」/医学書院「系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について