第108回 看護師国家試験 午後 問46 解説
📝 問題
慢性副鼻腔炎の手術を受けた患者に対する説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 慢性副鼻腔炎の手術後の説明で適切なのは「物が二重に見えるときは看護師に伝える」である。
副鼻腔(篩骨洞など)は眼窩と隣接するため、内視鏡下副鼻腔手術では眼窩内側壁の損傷や眼窩内血腫などの合併症が起こりうる。 複視(物が二重に見える)は眼窩合併症の徴候であり、視力障害とともに緊急の対応が必要になる。出現したときは速やかに看護師・医師に伝えるよう説明する。
他の選択肢は誤り。 咽頭に流れてくる分泌物(血液を含む)は、出血量を観察するため飲み込まず吐き出させる。 術後は出血予防と鼻粘膜の安静のため頭部を高く保つ。低くすると鬱血し、出血しやすくなる。 手術当日の入浴は血管が広がって出血を助長するため避け、シャワーも医師の許可を得てから行う。
看護の要点は、術後出血と眼窩合併症の観察である。
- 1
咽頭にたまった分泌物は飲んでも良い。不正解
咽頭に流れる分泌物は出血量を把握するため飲み込ませず、吐き出させる。
- 2
臥床時は頭部を低く保つ。不正解
頭部を低くすると鬱血・出血を助長するため、術後は頭部を高く保つ。
- 3
手術当日から入浴が可能である。不正解
手術当日の入浴は血流増加により出血を助長するため避ける。
- 4
物が二重に見えるときは看護師に伝える。正解
複視は眼窩合併症の徴候であり、出現時は速やかに看護師に伝えるよう説明する。
📚 ここも一緒におさえておこう
内視鏡下鼻副鼻腔手術の術後は、出血と眼窩・頭蓋内の合併症を観察する。何を観察し、何を控えてもらうかをセットで覚えよう。
- 術後出血:嚥下回数の増加は、鼻の奥から咽頭へ血液が流れている(後鼻出血)サイン
- 眼窩合併症:複視・視力低下・眼瞼や結膜の腫脹があれば直ちに報告する
- 髄液漏:さらさらした水様の鼻漏が続く場合は頭蓋底損傷を疑う
- 生活指導:鼻を強くかまない、すすらない。当日は入浴・飲酒・激しい運動を避ける
- 鼻出血が起きたときは座位でうつむき、小鼻を圧迫する
参考: 系統看護学講座 成人看護学 感覚器(耳鼻咽喉)
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について