第108回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
死後の処置で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 死後の処置で適切なのは「義歯を装着する」である。
死後の処置(エンゼルケア)では、生前の面影を保ち、故人の尊厳を守ることが基本である。義歯を装着すると顔貌が整い、頬のこけを防いで生前に近い表情を保てるため、可能なかぎり装着する。 処置は死後硬直が始まる前に速やかに行う。
他の選択肢は誤り。枕を氷枕にする決まりはない。 和装では、通常と逆の「左前(左衽)」に合わせるのが死装束の作法である。 綿を詰めるのは体液が漏れるのを防ぐためで、水を吸う脱脂綿を先に奥へ入れ、水をはじく青梅綿で蓋をする。選択肢は順序が逆である。
青梅綿とは
脂分を残したままの綿。水をはじくので、水を吸う脱脂綿の外側に置いて蓋の役をする。
- 1
枕は氷枕にする。不正解
枕を氷枕にする必要はなく、死後の処置で必須の手技ではない。
- 2
義歯を装着する。正解
義歯を装着すると顔貌が整い生前の面影を保てるため、死後硬直前に装着する。
- 3
肛門には青梅綿、脱脂綿の順で詰める。不正解
肛門などに詰める綿は、水を吸う脱脂綿を先に奥へ入れ、水をはじく青梅綿で蓋をする。青梅綿を先にすると体液を止められない。
- 4
和装の更衣の場合、襟は右前に合わせる。不正解
和装の死装束は通常と逆の左前(左衽)に合わせるのが作法で、右前は誤り。
📚 ここも一緒におさえておこう
死後の処置は、行う時期・整えかた・遺族へのかかわりと感染対策が問われる。生者と逆になる決まりに注意しよう。
- 死後硬直はおおむね死後2〜3時間で顎から始まるため、処置はそれより前に行う
- 義歯を装着し、口を閉じ、髭剃りや整髪・化粧で生前の面影を整える
- 和装では左前(左衽)に合わせる(生者は右前)
- 遺族の希望を確認し、可能なら一緒に行うことがグリーフケアにつながる
- 感染症のある遺体でも標準予防策を続け、遺族への説明を丁寧に行う
参考: 系統看護学講座 基礎看護学 死後のケア
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について