第107回 看護師国家試験 午後 問73 解説

📝 問題

院内感染の観点から、多剤耐性に注意すべきなのはどれか。

✅ 正解

5

💡 解説

✅ 院内感染の観点から多剤耐性に注意すべきなのは緑膿菌である。

緑膿菌は環境常在性が高く、易感染宿主に日和見感染を起こす代表的な院内感染起因菌である。もともと多くの抗菌薬に自然耐性をもち、多剤耐性緑膿菌(MDRP)として院内感染対策上とくに問題となる。 湿潤環境を好み、医療器具や水回りを介して伝播しやすいため、標準予防策と環境管理が重要となる。

国試では院内感染で警戒すべき多剤耐性菌(MRSA・MDRPなど)が問われる。ジフテリア・破傷風・百日咳・コレラはワクチンや特定の治療で対応される感染症で、院内での多剤耐性が主要な論点になるのは緑膿菌である点を区別して押さえる。

日和見感染とは

健康な人にはほとんど害のない弱い菌が、抵抗力の落ちた人に感染症を起こすこと。

  • 1

    ジフテリア菌不正解

    ジフテリア菌はワクチンで予防される感染症の起因菌で、院内感染での多剤耐性が主な論点ではない。

  • 2

    破傷風菌不正解

    破傷風菌は創傷から感染し毒素が問題となる菌で、院内感染の多剤耐性の観点で警戒する菌ではない。

  • 3

    百日咳菌不正解

    百日咳菌は飛沫感染する呼吸器感染症の菌で、院内多剤耐性の主要な対象ではない。

  • 4

    コレラ菌不正解

    コレラ菌は経口(水・食物)感染する腸管感染症の菌で、院内感染の多剤耐性の観点で注意する菌ではない。

  • 5

    緑膿菌正解

    緑膿菌は代表的な院内感染起因菌で、多剤耐性緑膿菌(MDRP)として特に注意を要する。

📚 国試でよく狙われるところ

院内感染で問題となる薬剤耐性菌は、略号と菌名を入れ替えて問われる。菌名・略号・対策の3つを1組で覚えよう。

  • 耐性菌対策の基本は標準予防策+接触予防策と、手指衛生の徹底
  • 緑膿菌は水回り・加湿器・ネブライザーなどの湿潤環境で増殖しやすい
  • 抗菌薬の適正使用(抗菌薬適正使用支援)が耐性化の抑制につながる
主な多剤耐性菌
略号菌名
MRSAメチシリン耐性黄色ブドウ球菌
VREバンコマイシン耐性腸球菌
MDRP多剤耐性緑膿菌
MDRA多剤耐性アシネトバクター
CREカルバペネム耐性腸内細菌目細菌

参考: 厚生労働省 院内感染対策サーベイランス(JANIS)/系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進(微生物学)

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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