第107回 看護師国家試験 午後 問6 解説
📝 問題
スピリチュアルな苦痛はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ スピリチュアルな苦痛にあたるのは、人生の価値を見失って苦悩することである。
全人的苦痛(トータルペイン)は、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4つの側面から成る。
スピリチュアルペインは、死を前にした人が生きる意味や自分の存在の価値を問い、「なぜ自分が」「生きていても意味がない」と苦しむ実存的苦痛(人生そのものへの問いから生じる痛み)をいう。
- 1
手術後の創部痛がある。不正解
創部痛は身体的苦痛であり、スピリチュアルペインではない。
- 2
社会的役割を遂行できない。不正解
社会的役割を遂行できないことは社会的苦痛に分類される。
- 3
治療の副作用に心配がある。不正解
副作用への心配は精神的(心理的)苦痛に該当する。
- 4
人生の価値を見失い苦悩する。正解
人生の価値を見失い苦悩することは、存在・意味を問うスピリチュアルペインである。
📚 ここも一緒におさえておこう
緩和ケアは、全人的苦痛の4側面の振り分けと、対象・開始時期・関わり方が問われる。側面の名前と代表例を1組にして覚えよう。 全人的苦痛はシシリー・ソンダースが提唱した概念である。
- 世界保健機関(WHO)の緩和ケアの定義では、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者と家族が対象で、診断時から治療と並行して行う
- スピリチュアルペインには答えを与えるのではなく、傍らに居て話を聴く(傾聴し、沈黙を共有する)関わりが基本
| 側面 | 具体例 |
|---|---|
| 身体的苦痛 | 痛み、倦怠感、呼吸困難、悪心・嘔吐、食欲不振、日常生活動作の支障 |
| 精神的苦痛 | 不安、抑うつ、いらだち、孤独感、死への恐れ |
| 社会的苦痛 | 仕事や役割の喪失、経済的問題、家族関係・相続の心配 |
| スピリチュアルペイン | 人生の意味への問い、罪責感、自己価値の喪失、死生観の揺らぎ |
参考: 日本緩和医療学会「緩和ケア」(全人的苦痛の概念)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について