第107回 看護師国家試験 午後 問57 解説
📝 問題
正常な胎児の分娩機転について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 正常な分娩では、胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。
正常な頭位分娩では、胎児は児頭を最大限に屈曲させ、後頭部を先に進めて(後頭位)産道を通る。 娩出のときは後頭部が母体の恥骨側(腹側)を向き、顔は母体の背側(肛門側)を向いて出てくる。
他の3つは向きが違う。嵌入のとき、児の背中は母体の背側ではなく前方(やや側方)にある。 先に進むのは前頭部ではなく後頭部で、前頭部が先進する反屈位は異常分娩にあたる。 肩甲は外回旋のあと、骨盤出口の横径ではなく前後径に一致する向きで娩出される。 分娩機転(下降・屈曲・内回旋・伸展・外回旋)の順序と胎児の向きは頻出なので、正常な経過を押さえておきたい。
分娩機転とは
胎児が産道を通り抜けるためにとる、決まった向きと姿勢の変化。第1回旋(屈曲)から第4回旋(外回旋)の順に進む。
嵌入とは
児頭のいちばん大きい部分(大横径)が、骨盤の入口を通り抜けた状態。
- 1
骨盤内嵌入時、胎児の背中は母体の背側にある。不正解
正常な後頭位では、骨盤内に嵌入するとき児背は母体の前方(やや側方)にある。
- 2
胎児の前頭部が先進する。不正解
正常な頭位分娩では児頭は屈曲し後頭部が先進するのであり、前頭部が先進するのは反屈位で異常である。
- 3
胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。正解
後頭位では後頭部が恥骨側を向き、胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。
- 4
肩甲横径が骨盤の横径に一致する方向で娩出される。不正解
肩甲は外回旋のあと、骨盤出口の前後径に一致する向きで娩出される。
📚 国試でよく狙われるところ
分娩は、回旋の順序と分娩期の区切りを入れ替えて問われる。第1〜第4回旋で何が起こるかと、分娩の3要素・4つの時期を対にして覚えよう。
- 分娩の3要素は娩出力(陣痛・腹圧)・産道・娩出物(胎児と付属物)
- 分娩期の区分:第1期=陣痛開始〜子宮口全開大、第2期=全開大〜児娩出、第3期=児娩出〜胎盤娩出、第4期=分娩後2時間
- 前頭位・額位・顔位などの反屈位は異常分娩で、分娩の進行が妨げられる
| 回旋 | 内容 |
|---|---|
| 第1回旋(屈曲) | 児頭が屈曲して顎を引き、小泉門が先進する |
| 第2回旋(内回旋) | 児背が母体の前方へ向き、矢状縫合が骨盤出口の前後径に一致する |
| 第3回旋(反屈・伸展) | 恥骨結合下を支点に児頭が反屈して娩出され、顔は母体の背側を向く |
| 第4回旋(外回旋・復位) | 児頭が元の向きに戻り、肩甲横径が骨盤出口の前後径に一致して娩出される |
参考: 母性看護学 標準テキスト/日本産科婦人科学会 関連資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について