第107回 看護師国家試験 午後 問35 解説
📝 問題
学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 集団指導よりも個別指導が望ましいのは、HIV感染者への生活指導である。
個別指導は、対象者のプライバシーへの配慮が必要な場合や、病状・生活背景が個別性の高い場合に適する。HIV感染症は差別・偏見を受けやすく、感染の事実自体が高い秘匿性を要するため、他者と同席する集団指導は不適切であり、プライバシーを守れる個別指導が望ましい。
一方、多数の対象に共通する一般的な予防・健康教育(インフルエンザ予防、地域住民への減塩指導、離乳食指導)は、効率がよく相互の学び合いも期待できる集団指導が適する。 国試では「プライバシー配慮・個別性・秘匿性が高い→個別指導」「共通・一般的テーマ→集団指導」という判別軸を押さえるとよい。
- 1
小学生へのインフルエンザ予防の指導不正解
小学生へのインフルエンザ予防は共通の一般的テーマであり、集団指導が効率的で適する。
- 2
塩分摂取量が多い地域住民への食事指導不正解
地域住民への減塩の食事指導は共通課題であり、集団指導が適する。
- 3
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染者への生活指導正解
HIV感染者への生活指導は秘匿性が高くプライバシー配慮が不可欠で、個別指導が望ましい。
- 4
3〜4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導不正解
健診に来た保護者への離乳食指導は共通テーマであり集団指導でも効果的に行える。
📚 混同しやすいので注意
指導形態の選択は「テーマの共通性」と「秘匿性・個別性」で判断する。 両者を組み合わせる(集団指導+個別相談)ことも多い。
- HIV感染症は5類感染症で、感染の事実は極めて秘匿性が高く守秘義務の徹底が求められる
- 成人学習(アンドラゴジー)では、学習者の経験を活かし、自己決定を尊重した支援が効果的
| 項目 | 集団指導 | 個別指導 |
|---|---|---|
| 適する場面 | 多数に共通する課題、健康教育・一次予防 | プライバシー配慮が必要、個別性が高い、行動変容の動機づけ |
| 長所 | 効率がよい、参加者同士の学び合い・仲間づくりが生まれる | 対象に合わせて内容を調整でき、深い相談ができる |
| 短所 | 個々のニーズに応じにくい、質問しにくい | 時間・人員がかかる |
| 例 | 母親学級、地域の健康教室、糖尿病教室 | HIV感染者への生活指導、退院指導、遺伝カウンセリング |
参考: 厚生労働省 健康教育・保健指導関連資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について