第107回 看護師国家試験 午後 問1 解説
📝 問題
世界保健機関〈WHO〉が定義する健康について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 世界保健機関〈WHO〉は健康を、肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態と定義している。
1946年に採択されたWHO憲章前文は、健康を「病気でないこと」という消極的な状態ではなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態という積極的な概念としてとらえた。 病気の有無だけでなく、社会的な面まで含めて人を全体としてとらえる、全人的な考え方である。
国試では「肉体的、精神的及び社会的に」という3つの側面がそのまま問われる。この3語を1組にして覚えておく。
- 1
単に病気や虚弱のない状態である。不正解
「単に病気や虚弱のない状態」は、WHOがまさに否定した消極的な健康観である。
- 2
国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。不正解
WHO憲章は健康を基本的人権とし、個人の努力のみで獲得するものとはしていない。
- 3
肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。正解
肉体的・精神的・社会的に良好な状態という3側面の記述がWHOの定義そのものである。
- 4
経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。不正解
WHO憲章はむしろ、人種・宗教・政治・経済的または社会的条件による差別なく、すべての人が健康権を享有すべきものとしている。
📚 国試でよく狙われるところ
健康にかかわる国際的な宣言・憲章は、名前と年号と中身を入れ替えて問われる。3つを1組にして覚えよう。
- WHO憲章は1946年採択・1948年発効(発効日の4月7日が世界保健デー)
- アルマ・アタ宣言(1978年)=プライマリヘルスケア。「すべての人に健康を」
- オタワ憲章(1986年)=ヘルスプロモーションの提唱(健康を資源ととらえ、自らの健康を管理・改善できるようにするプロセス)
- バンコク憲章(2005年)=グローバル化に対応したヘルスプロモーションの再定義
- WHO憲章前文は「到達しうる最高基準の健康の享有」を基本的人権と位置づけている
参考: 世界保健機関〈WHO〉憲章前文(1946年)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について