第107回 看護師国家試験 午前 問89 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

精神科病院で行動制限を受ける患者への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・2

💡 解説

✅ 行動制限を受ける患者には理由を説明し、原則として2名以上のスタッフで対応する。

精神科病院における行動制限は、患者の人権に配慮しつつ最小限で行うことが原則である。 制限を行うときは理由を患者に十分に説明する。 隔離や身体的拘束などの対応は、安全確保のため原則として複数(2名以上)のスタッフで行う。

国試では精神保健福祉法に基づく行動制限の原則が問われる。 信書(手紙)の発受は制限できず、対象を家族に限定することもできない。 隔離・拘束の開始や継続には精神保健指定医の診察・判断が必要で、「週1回」と決めたり看護師の判断だけで行ったりはできない(12時間を超える隔離は指定医の判断が必要)。

精神保健指定医とは

必要な経験を積み、厚生労働大臣が指定した医師。本人の同意によらない入院や、隔離・身体的拘束の要否を判断する。

  • 1

    行動制限の理由を患者に説明する。正解

    行動制限の理由を患者に説明することは人権への配慮として適切である。

  • 2

    原則として2名以上のスタッフで対応する。正解

    隔離・拘束などの対応は安全確保のため原則2名以上のスタッフで行うことが適切である。

  • 3

    信書の発受の対象は患者の家族に限定する。不正解

    信書の発受は制限できず、対象を家族に限定することは患者の権利を侵害する。

  • 4

    精神保健指定医による診察は週1回とする。不正解

    隔離・拘束の継続には精神保健指定医による頻回の診察が必要で、「週1回」と固定するのは不適切である。

  • 5

    12時間を超えない隔離は看護師の判断で実施する。不正解

    12時間を超える隔離は精神保健指定医の判断が必要であり、看護師の判断のみで実施することはできない。

📚 国試でよく狙われるところ

行動制限は、誰の判断で・何時間まで・何を制限できないかを入れ替えて問われる。制限の種類ごとに条件を対にして覚えよう。 身体的拘束中は深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の予防(十分な水分補給、下肢の運動、弾性ストッキング)が欠かせない。

精神科病院における行動制限の原則
項目内容
どのような場合でも制限できないもの信書の発受、都道府県や地方法務局など人権擁護に関する行政機関の職員との電話・面会、代理人である弁護士との電話・面会
隔離12時間を超える隔離は精神保健指定医の判断が必要(12時間以内は指定医以外の医師の判断でも可)
身体的拘束時間にかかわらず精神保健指定医の判断が必要。頻回に観察し、生命に危険が及ぶ可能性に留意する
共通の原則制限は必要最小限とし、理由を患者に説明し、診療録に記載する。制裁や見せしめとして行ってはならない

参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/厚生労働省告示(行動制限に関する基準)

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第107回の問題一覧を見る