第107回 看護師国家試験 午前 問70 解説
📝 問題
腹部CT(別冊No.3 A〜C)を別に示す。胆石が半年間で胆囊内をAからCまで移動した。Cの状態を表すのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 胆石が通過できずにはまり込んだCの状態は「嵌頓(かんとん)」を表す。
胆囊の中の胆石が胆囊頸部や胆囊管へ移動してはまり込み、そこを通過できずに止まった状態を嵌頓という。 嵌頓が起こると胆汁の流れがせき止められ、胆囊の内圧が上がって胆囊炎や疝痛発作の原因になる。 別冊No.3の腹部CTでAからCへ移動した胆石が、最後に通れないところで止まった状態がCであり、これが嵌頓にあたる。
他の選択肢は、どれも「はまり込んで動けない」という意味をもたない。 侵入・迷入は、本来はないはずの場所へ入り込むことをいう。 転位は位置がずれること、停留はその場にとどまることを指し、通過できずに詰まった状態までは表さない。
疝痛とは
内臓の管が詰まったときに起こる、強くなったり弱くなったりを繰り返す差し込むような痛み。
- 1
嵌頓正解
胆石が胆囊頸部・胆囊管にはまり込んで停滞した状態を嵌頓といい、Cがこれにあたる。
- 2
侵入不正解
侵入は本来ない部位へ入り込む意で、胆囊内での結石の停滞を表す用語ではない。
- 3
転位不正解
転位は位置がずれる意で、頸部にはまり込んだ停滞状態を的確に表さない。
- 4
停留不正解
停留はとどまる意だが、通過障害を起こしてはまり込む病態を指す語としては嵌頓が適切である。
- 5
迷入不正解
迷入は本来と異なる場所へ入り込むことで、胆囊頸部での結石の嵌り込みを表さない。
📚 国試でよく狙われるところ
胆石は、痛みが出る場面と、詰まった場所によって何が起こるかが問われる。部位・症状・危険因子・治療をひと続きで覚えよう。 胆石は存在部位により胆囊結石・総胆管結石・肝内結石に分けられ、最も頻度が高いのは胆囊結石である。
- 胆石発作(疝痛)は脂肪の多い食事の後や夜間に、右季肋部から心窩部の痛みとして起こり、右肩・右背部への放散痛を伴う
- 総胆管結石が嵌頓して胆管炎を起こすとCharcot(シャルコー)3徴=腹痛・発熱・黄疸がみられる
- 危険因子は4F=Forty(40歳代)・Female(女性)・Fatty(肥満)・Fecund(多産)
- 症状のある胆囊結石には腹腔鏡下胆囊摘出術が第一選択となる
参考: 医学書院「系統看護学講座 成人看護学(消化器)」
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について