第107回 看護師国家試験 午前 問59 解説
📝 問題
自殺念慮を訴える患者で、自殺が最も切迫している状態はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 自殺念慮のうち最も切迫しているのは、自殺する日を決めている状態である。
自殺の危険度は、具体的な計画(手段・日時・場所)が定まっているほど高い。 「自殺する日を決めている」は、日まで決まっている=計画がそれだけ具体化している状態で、最も切迫していると判断する。
他の選択肢は、計画の具体性がこれに及ばない。手段が未定であれば計画は具体化しておらず、切迫度は相対的に低い。将来の希望を時々話す、普段と変わらない様子で生活しているという状態は、自殺念慮が前面に出ていない。
自殺念慮とは
「死にたい」「自分は消えたほうがよい」と考えること。手段や日時まで決まると危険はさらに高くなる。
- 1
自殺の手段が未定である。不正解
手段が未定であれば計画はまだ具体化しておらず、日まで決めている場合より切迫度は低い。
- 2
自殺する日を決めている。正解
自殺する日を決めているのは、日まで決まるほど計画が具体化した状態で、自殺が最も差し迫っている。
- 3
将来の希望について時々話す。不正解
将来の希望について時々話すのは、まだ将来に目が向いている状態で、日を決めている場合より切迫度は低い。
- 4
普段と変わらない様子で生活している。不正解
普段と変わらない様子で生活しているのは切迫した状態を示さないが、急変の可能性には留意する。
📚 国試でよく狙われるところ
自殺のリスクは、危険の高い徴候と、気づいたときの声のかけ方がまとめて問われる。「どこを見て危険を測るか」と「どう声をかけて安全を確保するか」を1組で覚えよう。 自殺の背景には精神疾患(うつ病・アルコール依存など)、喪失体験、慢性疾患や疼痛、社会的孤立、経済的困窮などが重なっていることが多い。 自殺対策基本法に基づき、ゲートキーパーの養成などの予防対策が進められている。
- 危険が高い徴候=具体的な計画(手段・日時・場所)がある、手段を準備している、過去の自殺企図、遺書や身辺整理、周囲への別れの言葉。
- TALKの原則=Tell(心配していると伝える)、Ask(自殺について率直に尋ねる)、Listen(傾聴する)、Keep safe(安全を確保する)。
- 自殺について尋ねることが自殺を促すことはない。曖昧にせず具体的に確認する。
- うつ病では回復期(制止がとれ始めた時期)に自殺が起こりやすい。
- 危険物の除去、一人にしない、環境調整、家族への説明と協力依頼を行う。
参考: 系統看護学講座 精神看護学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について