第107回 看護師国家試験 午前 問47 解説
📝 問題
老年期の心理社会的葛藤を「統合」対「絶望」と表現した人物はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 老年期の心理社会的葛藤を「統合」対「絶望」と表現したのはエリクソンである。
エリクソン(E. H. Erikson)は生涯発達を8段階の心理社会的発達段階で説明し、老年期の発達課題を「統合(自我の統合)」対「絶望」と表現した。人生を意味あるものとして受容できれば統合に至り、後悔や恐れが強いと絶望に陥るとした。
バトラーは高齢者のライフレビュー(回想法)、ハヴィガーストは発達課題論、ペックはエリクソンの老年期課題を細分化した人物であり、老年期を「統合対絶望」と表現したのはエリクソンである。
- 1
ペック, R. C.不正解
ペックはエリクソンの老年期の課題をさらに細分化した人物で、「統合対絶望」を提唱した本人ではない。
- 2
バトラー, R. N.不正解
バトラーはライフレビュー(回想法)を提唱した人物であり、「統合対絶望」とは関連しない。
- 3
エリクソン, E. H.正解
エリクソンは心理社会的発達段階論で老年期を「統合対絶望」と表現した。
- 4
ハヴィガースト, R. J.不正解
ハヴィガーストは発達課題論を提唱した人物で、「統合対絶望」の表現とは異なる。
📚 混同しやすいので注意
発達理論は、提唱者と概念を入れ替えて問われる。人名と「何を言った人か」を対にして覚えよう。 老年期の課題である統合は、自分の人生を「これでよかった」と受け入れられる状態を指し、達成できないと絶望に陥る。回想を治療的に用いるライフレビュー(回想法)はバトラーが提唱した。
- ハヴィガーストは各発達段階で達成すべき発達課題を示した。
- ペックはエリクソンの老年期の課題を細分化し、自我の分化 対 仕事役割への没頭、身体の超越 対 身体への没頭、自我の超越 対 自我への没頭を挙げた。
| 段階 | 心理社会的危機 |
|---|---|
| ①乳児期 | 基本的信頼 対 不信 |
| ②幼児期前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
| ③幼児期後期(遊戯期) | 自主性 対 罪悪感 |
| ④学童期 | 勤勉性 対 劣等感 |
| ⑤青年期 | 同一性の確立 対 同一性の混乱 |
| ⑥成人期前期 | 親密性 対 孤立 |
| ⑦成人期中期(壮年期) | 世代性(生殖性) 対 停滞 |
| ⑧老年期 | 統合 対 絶望 |
参考: 系統看護学講座 老年看護学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について