第107回 看護師国家試験 午前 問28 解説
📝 問題
急性大動脈解離について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 急性大動脈解離は若年者ではMarfan(マルファン)症候群の患者にみられることが多い。
急性大動脈解離は、大動脈壁の中膜が裂けて血液が入り込み、偽腔ができる疾患である。内膜にできた亀裂から始まる。 若い人では、結合組織がもろくなる遺伝性のマルファン症候群が背景にあることが多い。
他の選択肢は、裂ける層・検査・治療方針のいずれかが誤っている。 裂けるのは中膜で、外膜ではない。 診断には造影剤を用いる造影CTを行う。 Stanford(スタンフォード)分類で緊急手術が原則なのは上行大動脈に及ぶA型で、B型は保存的治療が基本である。
偽腔とは
大動脈の壁が裂けてできた、本来の血液の通り道(真腔)とは別の空間。ここに血液が流れ込んで広がっていく。
- 1
大動脈壁の外膜が解離する。不正解
解離が起こるのは大動脈壁の中膜であり、外膜ではない。
- 2
診断には造影剤を用いないCT検査を行う。不正解
診断の第一選択は造影剤を用いる造影CTで、内膜の亀裂と偽腔を描出する。
- 3
Stanford(スタンフォード)分類B型では緊急手術を要する。不正解
緊急手術が原則なのはA型で、上行大動脈に及ばないB型は保存的治療が基本である。
- 4
若年者ではMarfan(マルファン)症候群の患者にみられることが多い。正解
若年発症の大動脈解離は、マルファン症候群を背景とすることが多い。
📚 国試でよく狙われるところ
大動脈解離は、症状・危険因子・分類・治療がひとまとまりで問われる。症状から分類へ、分類から治療へとつなげて覚えよう。 典型的な症状は突然の激しい胸背部痛で、引き裂かれるような痛みが移動していく。 上下肢や左右の血圧差、大動脈弁閉鎖不全、心タンポナーデ、分枝の閉塞による脳虚血や対麻痺を合併することがある。
- 最大の危険因子は高血圧。若年発症ではマルファン症候群や大動脈二尖弁が背景となる。
- 診断は造影CTが第一選択で、治療の基本は血圧と心拍数の厳格なコントロール。
- DeBakey分類はI型(上行から下行へ)・II型(上行のみ)・III型(下行のみ)に分ける。
| 型 | 解離の範囲 | 治療の原則 |
|---|---|---|
| A型 | 上行大動脈に解離が及ぶ | 原則として緊急手術 |
| B型 | 上行大動脈に解離が及ばない | 原則として保存的治療(降圧・鎮痛)、合併症例は手術やステント |
参考: 成人看護学 循環器疾患(大動脈解離)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について