第107回 看護師国家試験 午前 問12 解説
📝 問題
頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 頻回の嘔吐では代謝性アルカローシスが生じやすい。
嘔吐では胃酸(塩酸)が大量に失われる。 体内の水素イオン(H+)が減少し、相対的に重炭酸イオンが優位になって代謝性アルカローシスをきたす。 同時に脱水や低カリウム血症・低塩素血症を伴いやすい。
「嘔吐=胃酸が減る=アルカローシス」「下痢=重炭酸が減る=アシドーシス」と対にして覚える。 血尿・低体温・体重増加は嘔吐で直接起こる変化ではなく、脱水でむしろ体重は減少する。
アルカローシスとは
血液が正常よりもアルカリ性(pHが高い側)に傾いた状態。反対に酸性へ傾くのがアシドーシスである。
- 1
血尿不正解
血尿は嘔吐で直接生じる病態ではない。
- 2
低体温不正解
低体温は頻回の嘔吐で必発する変化ではない。
- 3
体重増加不正解
嘔吐では脱水により体重はむしろ減少しやすい。
- 4
アルカローシス正解
胃酸が失われることで代謝性アルカローシスが生じやすい。
📚 ここも一緒におさえておこう
嘔吐では胃液とともに水素イオン・塩素イオン・カリウムイオンが失われるため、代謝性アルカローシスに低クロール血症・低カリウム血症を伴う。脱水も加わるため、輸液と電解質の補正が治療の基本となる。
| 病態 | pH | 一次性の変化 | 主な原因 |
|---|---|---|---|
| 代謝性アシドーシス | 低下 | 重炭酸イオンの低下 | 下痢、腎不全、糖尿病ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス |
| 代謝性アルカローシス | 上昇 | 重炭酸イオンの上昇 | 嘔吐、胃液の持続吸引、利尿薬、低カリウム血症 |
| 呼吸性アシドーシス | 低下 | 二酸化炭素分圧の上昇 | 換気不全(慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉、呼吸抑制、窒息) |
| 呼吸性アルカローシス | 上昇 | 二酸化炭素分圧の低下 | 過換気症候群、過度の人工呼吸 |
参考: 疾病の成り立ち 酸塩基平衡異常
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について