第107回 看護師国家試験 午前 問101 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aちゃん(3歳、女児)は、卵による食物アレルギーがある。保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現し救急外来を受診した。Aちゃんは、食物アレルギーによるアナフィラキシーと診断された。アドレナリンの筋肉内注射の後、点滴静脈内注射による補液と酸素吸入が開始された。バイタルサインは問題なく、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)99%であったが、経過観察のため入院となった。Aちゃんは「お母さんに会いたい。おうちに帰りたい」と泣き始めた。母親は、保育所から連絡を受けて病院に到着し、医師から現在の病状について説明を受けた。母親は「Aは大丈夫ですか」と看護師に不安を訴えていた。 母親への看護師の対応として最も適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 不安を訴える母親には、まず来院時から現在までのAちゃんの様子を具体的に伝えることが最も適切である。

母親は保育所からの連絡で駆けつけ、医師から病状の説明を受けた直後で、「Aは大丈夫ですか」と強い不安を訴えている。 この段階では、来院時から現在までの子どもの経過・状態を具体的に伝えることで、今どうなっているのかという母親のいちばん切実な不安に直接応え、事実にもとづいた安心につなげられる。 情報提供と共感的な対応の第一歩として最優先される。

家族看護では「相手のいまのニーズに合った対応を選ぶ」ことが問われる。 入院中の生活の留意点や、診断されたときの思いを聴くことも大切だが、いま母親が知りたいのは子どもの現在の状態である。 父親の到着を待たせるのは、目の前の不安をそのままにしてしまう。 母親の訴えに直接応える情報提供を選ぶ。

  • 1

    入院中の生活の留意点を説明する。不正解

    入院中の生活の留意点も必要だが、母親が今最も知りたい子どもの現在の状態への対応が優先される。

  • 2

    父親が到着するまで待合室で待機してもらう。不正解

    父親の到着を待たせるだけでは、母親の目の前の強い不安に応えておらず適切でない。

  • 3

    来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。正解

    来院時から現在までの様子を伝えることで、子どもの現状を知りたい母親の不安に直接応えられ最も適切である。

  • 4

    Aちゃんが食物アレルギーと診断されたときの母親の思いを聴く。不正解

    診断時の思いを聴くのは有意義だが、急性期で現状把握を求める母親のニーズには合致せず優先度が低い。

📚 ここも一緒におさえておこう

子どもが急に発症して入院すると、家族は衝撃・否認・悲嘆といった心理過程をたどる。 看護師はまず事実を分かりやすく伝え、感情の表出を受け止めることから支援を始める。

  • 重症患者の家族のニードは情報のニード・安心(保証)のニード・接近のニード・支持のニードに整理できる
  • 説明は専門用語を避け、理解できたかを確認しながら段階的に行う
  • 看護の対象は患児だけでなく、父親・きょうだいを含む家族全体である
  • 母親の自責感(「私がもっと気をつけていれば」)は表出を促し、責めずに受け止める

参考: 医療情報科学研究所編『小児看護学』/日本小児看護学会 家族看護の指針

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第107回の問題一覧を見る