第106回 看護師国家試験 午後 問99 解説
📝 問題
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。 Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用(有害事象)として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用(有害事象)は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。 Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 満月様顔貌が気になっても、ステロイド薬の内服は続けるよう指導する。
ステロイド薬は、症状がよくなったからといって自分の判断でやめると再発する。長く飲んでいた薬を急にやめると、体が自分で作る量が追いつかず副腎不全を起こす危険もある。 満月様顔貌は、薬を減らしていけば戻る変化である。見た目を気にする気持ちを受け止めたうえで、飲み続ける意味を伝える。
残る4つのうち3つは、ステロイドを飲んでいることを理由にした制限だが、どれも必要がない。日光を避ける必要はなく、症状が落ち着いていれば学校にも通え、入浴も禁じない。 家庭で毎日確かめるのは体重よりも尿蛋白で、朝いちばんの尿を試験紙で調べる。
満月様顔貌とは
ステロイド薬を続けていると顔に脂肪がついて丸くみえる変化。薬を減らせば戻るので、見た目を理由に勝手にやめない。
- 1
日光を避ける。不正解
日光を避けるのは、光線過敏を起こす薬を使うときの注意。ステロイド薬では必要がなく、骨のためにはむしろ外で過ごす時間があるとよい。
- 2
体重の測定は毎日行う。不正解
家庭で再発を早く見つける方法は、朝いちばんの尿を試験紙で調べること。体重は浮腫の目安になるが、毎日測ることを退院指導の中心には置かない。
- 3
1か月は学校を欠席する。不正解
ステロイド薬を飲んでいても、症状が落ち着いていれば登校できる。人との接触を一律に断つのではなく、感染が流行しているときに気をつける。
- 4
入浴ではなくシャワー浴とする。不正解
入浴を禁じる理由はない。皮膚を清潔に保つことは感染の予防になる。
- 5
満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。正解
満月様顔貌は薬を減らせば戻る変化である。気になる気持ちを受け止めたうえで、自己判断でやめないことを伝える。
📚 国試でよく狙われるところ
ステロイド薬は、副作用の名前と、やめ方(自己判断で中止しない)が組で問われる。見た目に出る副作用ほど中断の理由になりやすい、と結びつけて覚えよう。
- 主な副作用は満月様顔貌・中心性肥満・食欲増加、易感染、骨粗鬆症、高血糖、消化性潰瘍、不眠や気分の変化
- 免疫が抑えられるので生ワクチンは原則使えない。水痘や麻疹の人と接したら早めに受診する
- 減量の途中でも自己判断で中止しない。だるさ・吐き気・血圧の低下は副腎不全のサイン
参考: 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン/医療情報科学研究所編『病気がみえる 小児科』関連資料
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について