第106回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
狭心症の治療に用いる薬はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 狭心症の治療には、冠動脈を広げて発作を抑える硝酸薬と、血栓を防ぐ抗血小板薬を用いる。
狭心症は冠動脈が狭くなり、心筋に届く酸素が足りなくなる状態である。治療は「酸素の供給を増やす」と「心臓の仕事を減らす」の2方向で考える。
硝酸薬(ニトログリセリンなど)は血管を広げる薬である。冠動脈を広げて血流を増やし、同時に静脈を広げて心臓へ戻る血液を減らすので、心筋が使う酸素も減る。発作が起きたときは舌下錠として使い、飲み込まずに口の中で溶かす。 抗血小板薬(アスピリンなど)は、狭くなった部分に血の塊ができるのを防ぎ、心筋梗塞へ進むのを抑える。
他の選択肢は別の病気に使う薬である。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は血圧を下げる薬で、高血圧や心不全に用いる。スルホニル尿素薬は膵臓からのインスリン分泌を促す2型糖尿病の薬である。ジギタリス製剤は心臓の収縮する力を強める薬で、心不全や心房細動に用いる。
- 1
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬不正解
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は血管を縮める物質の働きを抑えて血圧を下げる薬で、高血圧や心不全、慢性腎臓病で用いる。
- 2
スルホニル尿素薬不正解
スルホニル尿素薬は膵臓を刺激してインスリンの分泌を増やす薬で、2型糖尿病の治療に用いる。低血糖に注意する。
- 3
ジギタリス製剤不正解
ジギタリス製剤は心臓の収縮する力を強め、脈を遅くする薬で、心不全や心房細動に用いる。
- 4
抗血小板薬正解
抗血小板薬は血小板が固まるのを抑え、冠動脈に血栓ができて心筋梗塞へ進むのを防ぐ。
- 5
硝酸薬正解
硝酸薬は血管を広げて冠動脈の血流を増やし、心臓へ戻る血液を減らして心筋の酸素消費を抑える。発作時は舌下錠を用いる。
📚 国試でよく狙われるところ
狭心症の薬は「発作が起きたときに使う薬」と「発作を起こさないための薬」に分けて問われる。ニトログリセリンは使い方がそのまま指導の問題になるので、手順ごと覚えよう。
- ニトログリセリンの舌下錠は発作時に1錠。効かなければ5分おきに、3回まで使ってよい。それでも治まらなければ心筋梗塞を疑って救急要請する。
- 血管が広がることで頭痛や立ちくらみが起こりやすい。使うときは座るか横になる。
- 光と湿気で効きが落ちるため、遮光できる容器に入れ、いつも身につけて持ち歩く。
参考: 薬理学(狭心症の治療薬)/成人看護学(虚血性心疾患の看護)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について