第106回 看護師国家試験 午後 問57 解説
📝 問題
Aさん(65歳、男性)は、肺気腫で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザにかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の確認を最も優先する。
肺気腫でもともと呼吸の予備が少ない人に、発熱とぐったりした様子が加わっている。 同居する孫のインフルエンザからうつった可能性が高く、感染は肺気腫の急性増悪の引き金になる。
まず確かめるのは、呼吸が持ちこたえているかどうかである。 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉はその場ですぐ測れ、酸素が足りているかを数値で示す。 低ければ受診や搬送をただちに判断できる。 なお在宅酸素療法中に自己判断で流量を上げると二酸化炭素ナルコーシスを招くため、必ず医師に相談する。
- 1
喀痰の性状不正解
喀痰の性状は感染の広がりをみる手がかりになるが、いま呼吸が保てているかを先に確かめる。
- 2
胸痛の有無不正解
胸痛は肺炎や気胸を疑う所見になるものの、まず酸素化の状態をつかむほうが先になる。
- 3
関節痛の有無不正解
関節痛はインフルエンザに伴う全身症状で、命に直結する所見ではない。
- 4
経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉正解
肺気腫では感染で急速に酸素化が悪くなる。その場で数値として確認できる指標であり、受診や搬送の判断に直結する。
📚 国試でよく狙われるところ
在宅酸素療法を受けている人の急変では、何を先に見るかが問われる。命に直結する順、つまり呼吸・循環・意識を先に置こう。
- 肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患の急性増悪では、息切れの悪化・痰の増加・痰の膿性化が3つのサインになる
- この病気の酸素療法では目標の経皮的動脈血酸素飽和度を88〜92%と低めにし、自己判断で流量を上げない
- 感染が引き金になりやすいため、インフルエンザと肺炎球菌のワクチンを勧める
参考: 日本呼吸器学会「慢性閉塞性肺疾患診断と治療のためのガイドライン」/医学書院「系統看護学講座 在宅看護論」
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について