第106回 看護師国家試験 午前 問74 解説
📝 問題
起立性低血圧について正しいのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 起立性低血圧は、自律神経障害を起こす疾患で生じやすい。
立ち上がると重力で血液が下半身にたまり、心臓へ戻る血液が減る。 ふだんは首や胸にある圧受容器がこれを感じ取り、心拍数を上げ血管を締めて血圧を保つ。
この調節を担うのが自律神経である。 糖尿病の神経障害やパーキンソン病のように自律神経が傷む病気では、立ち上がっても血管が締まらず、脳へ流れる血液が減って立ちくらみや失神が起こる。
目安は、起立から3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上(拡張期血圧なら10mmHg以上)下がることである。
残る4つは、いずれも向きが逆である。
圧受容器とは
頸動脈や大動脈の壁にあり、血圧の変化を感じ取るセンサー。血圧が下がると信号を送り、心拍数と血管の締まり具合を自動で調節させる。
- 1
脱水との関連はない。不正解
逆。脱水で循環する血液の量が減ると、起立性低血圧は起こりやすくなる。
- 2
高齢者には起こりにくい。不正解
逆。高齢者は圧受容器のはたらきが鈍るため、起こりやすい。
- 3
塩分の過剰摂取によって起こる。不正解
逆。塩分と水分をとることは血圧を保つ側にはたらく。起こりやすいのは減塩や利尿薬の使用時である。
- 4
脳血流の一時的な増加によって生じる。不正解
逆。起立で減るのは脳への血流で、その低下が症状を起こす。
- 5
自律神経障害を起こす疾患で生じやすい。正解
糖尿病の神経障害やパーキンソン病など、自律神経が傷む病気で起こりやすい。
📚 国試でよく狙われるところ
起立性低血圧は、症状よりもどうすれば防げるかが問われる。急に立たない・血液を心臓へ戻す、の2つで説明できる対策を選ぼう。
- 起き上がるときは仰臥位→座位→立位と段階を踏み、それぞれで少し待つ。
- 弾性ストッキングや腹帯を使い、下半身に血液がたまるのを防ぐ。
- 起こりやすいのは起床時・食後・入浴後と、降圧薬や利尿薬を使っているときである。
参考: 標準的な循環生理学(圧受容器反射)/起立性低血圧の診断基準(起立後3分以内の血圧低下)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について