第106回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
Aさん(68歳、女性)は、胃癌のため入院した。入院初日に「夫も癌になって、亡くなる前に痛みで苦しんでいました。私も痛みが怖いんです」と言った。看護師は、Aさんが夫のように苦しむことへの恐怖や不安があることが分かり、Aさんとともに対処法について考えた。この時点での患者-看護師関係の段階はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 入院初日に不安を語り、看護師とともに対処法を考えている段階は方向付けである。
ペプロウは、患者と看護師の関係が方向付け→同一化→開拓利用→問題解決という順に進むとした。
Aさんは入院初日に「痛みが怖い」と自分の困りごとを言葉にし、看護師はそれを一緒に確かめて対処法を考えている。 関係が始まったばかりで、何が問題なのかを二人で明らかにしている時期なので方向付けにあたる。
残る3つは、関係がもっと進んでから現れる段階である。
- 1
方向付け正解
患者が助けを求め、看護師とともに問題を明らかにしていく最初の段階である。
- 2
同一化不正解
同一化は、患者が信頼できる看護師を選び、その人に頼りながら気持ちを表していく段階である。
- 3
開拓利用不正解
開拓利用は、患者が受けられる援助を自分から使いこなし、回復に向けて動き出す段階である。
- 4
問題解決不正解
問題解決は、目標が達成されて患者が自立し、関係を終えていく段階である。
📚 国試でよく狙われるところ
看護理論は、理論家の名前と提唱した考え方を入れ替えて問われる。人名と中身を対にして覚えよう。
| 理論家 | 中心となる考え方 |
|---|---|
| ペプロウ | 患者と看護師の人間関係そのものが治療的にはたらく。関係は4段階で進む |
| ナイチンゲール | 換気・保温・清潔など環境を整えることが看護である |
| ヘンダーソン | 14の基本的欲求を軸に、体力・意思力・知識の不足を補う |
| オレム | セルフケアが不足した分を看護が補う |
| ロイ | 人を環境に適応する存在ととらえ、4つの適応様式で見る |
| トラベルビー | 苦難の意味を見いだす過程を支える。人間対人間の関係を築く |
参考: ペプロウ『人間関係の看護論』
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について