第105回 看護師国家試験 午後 問46 解説
📝 問題
Aさん(37歳、女性)は、月経異常で病院を受診し、糖尿病および高血圧症と診断された。また、満月様顔貌や中心性肥満の身体所見がみられたため検査が行われ、ホルモン分泌異常と診断された。原因となるホルモンを分泌している臓器はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 原因となるホルモンはコルチゾールであり、これを分泌しているのは副腎である。
満月様顔貌と中心性肥満に糖尿病・高血圧・月経異常が重なるのはクッシング症候群で、副腎皮質から出るコルチゾールが過剰になった状態である。 コルチゾールは血糖を上げ、体に塩分と水をため、脂肪を体幹に集めるはたらきをもつ。 過剰になると顔が丸くなり、手足は細いのに腹部に脂肪がつく。血糖が上がって糖尿病、塩分と水がたまって高血圧になり、性腺のはたらきが抑えられて月経異常が起こる。
他の3つは、この組合せを説明できない。副甲状腺ホルモンはカルシウム、甲状腺ホルモンは代謝、卵巣の女性ホルモンは月経周期を動かすホルモンである。
- 1
副甲状腺不正解
副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウムを上げるホルモンで、過剰になると尿路結石や骨がもろくなる症状が前に出る。
- 2
甲状腺不正解
甲状腺ホルモンは全身の代謝を上げるホルモンで、過剰になると体重が減り脈が速くなる。
- 3
副腎正解
副腎皮質からコルチゾールが分泌される。過剰になった状態がクッシング症候群で、満月様顔貌・中心性肥満・高血糖・高血圧がそろう。
- 4
卵巣不正解
卵巣はエストロゲンとプロゲステロンを出して月経周期を作る。その異常でも月経異常は起こるが、体幹に脂肪が集まる変化は副腎皮質ホルモンの過剰に特徴的である。
📚 混同しやすいので注意
副腎の病気は、ホルモンが多いときと少ないときで症状が正反対になる。多い側と少ない側を対にして覚えよう。
- コルチゾールが過剰=クッシング症候群。満月様顔貌・中心性肥満に加え、高血糖・高血圧・骨粗鬆症・感染しやすさがそろう。
- コルチゾールが不足=アジソン病。だるさ・低血糖・低血圧・皮膚の色素沈着がみられる。
- ステロイド薬を長く使っても同じ症状が出る(医原性クッシング症候群)。自己判断で急にやめると危険なので、減らし方は医師の指示に従う。
参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌』/標準的な内分泌学(副腎皮質ホルモンの過剰と不足)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について