第105回 看護師国家試験 午後 問111 解説
📝 問題
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。 入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。 退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 退院後は再発を早く見つけるために、家族がAさんの言動の変化に気を付けることを説明するのが最も適切である。
Aさんは症状が改善し、治療を続ける必要も理解している。双極性障害は再発をくり返しやすい病気で、治療の柱は服薬の継続である。 退院指導の中心は、再発を早く見つける準備になる。再発のきざしは、眠る時間が短くなる、口数が増える、買い物が増えるといったふだんとの違いとして現れる。 本人は気づきにくいので、身近な家族が言動の変化に気づけるようにし、気づいたときの連絡先も決めておく。
残る3つは、退院後の生活を狭めるか、事実と違う。薬の管理をすべて家族に任せると、自分で治療を続ける力が育たない。 定期的な入院が決まっているわけではなく、外来に通いながら生活を続けるのが基本である。 服薬を続けていても再発することはあり、「再発しない」と言い切ることはできない。
- 1
「薬の管理は家族が行ってください」不正解
Aさんは治療の必要性を理解しており、自分で薬を管理できるよう支えるほうが回復に沿う。家族はすべてを引き受けるのではなく、飲み忘れに気づいたときに声をかける役割を担う。
- 2
「今後も定期的な入院が必要になります」不正解
定期的な入院が決まっているわけではない。外来に通い、薬を続けながら生活するのが基本になる。
- 3
「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」正解
再発のきざしは眠る時間の減少や口数の増加として現れ、本人は気づきにくい。家族が変化に気づけると、早く受診につなげられる。
- 4
「服薬していれば再発することはありません」不正解
薬を続けていても再発することはある。言い切ってしまうと、再発したときに服薬をやめる理由になりかねない。
📚 ここも一緒におさえておこう
退院後の生活で家族と一緒におさえておきたいのは、再発のサインと薬の続け方。「眠れなくなったら要注意」と結びつけて覚えよう。
- 再発のサインは睡眠時間の減少から始まることが多く、「眠らなくても平気」は躁状態が近いしるし
- 気分の波と出来事を書き留める気分の記録表をつけると、本人も家族も変化に気づきやすい
- 炭酸リチウムは効く量と中毒を起こす量が近く、定期的に血中濃度を測る。悪心・手のふるえ・ふらつきは中毒のサイン
参考: 系統看護学講座 精神看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について