第105回 看護師国家試験 午前 問89 解説

一般小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

児の免疫に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・3

💡 解説

✅ 胎児は胎盤を通じて母体からIgGを受け取り、それが減る生後3〜6か月ごろに免疫グロブリンが最も少なくなる。

胎盤を通り抜けられる免疫グロブリンはIgGだけである。妊娠後期に母体から大量に送られるので、生まれたばかりの児は母親と同じくらいのIgGを持っている。この抗体を移行抗体という。

移行抗体はしだいに減り、生後3〜6か月ごろに最も少なくなる。児自身のIgGはこのころから作られ始めるが追いつくまでに時間がかかり、この時期が最も感染しやすい。予防接種が生後2か月から始まるのはこのためである。

母乳から受け取るのはIgGではなくIgAで、とくに初乳に多い。腸の粘膜を覆い、細菌やウイルスが入るのを防ぐ。

移行抗体とは

胎盤を通って母体から児へ渡ったIgGのこと。生まれてしばらく児を感染から守り、生後3〜6か月ごろに減ってなくなる。

  • 1

    胎児期は胎盤を通じて母体からIgGを受け取る。正解

    胎盤を通り抜けられるのはIgGだけで、妊娠後期に母体から児へ大量に送られる。この移行抗体が生後しばらく児を守る。

  • 2

    出生後は母乳からIgMを受け取る。不正解

    母乳から受け取るのはIgAである。とくに初乳に多く、腸の粘膜を覆って細菌やウイルスの侵入を防ぐ。

  • 3

    生後3か月ころに免疫グロブリンが最も少なくなる。正解

    母体からの移行抗体が減り、児自身の産生がまだ追いつかない生後3〜6か月ごろに最も少なくなる。この時期は感染症にかかりやすい。

  • 4

    1歳ころから抗体の産生が盛んになる。不正解

    児自身の抗体づくりは、移行抗体が減り始める生後3か月ごろから盛んになる。1歳を待って始まるわけではない。

  • 5

    3歳ころにIgAが成人と同じレベルに達する。不正解

    IgAが成人と同じ値に達するのは、免疫グロブリンのなかで最も遅い思春期ごろである。IgGでも学童期までかかる。

📚 ここも一緒におさえておこう

免疫グロブリンは、種類ごとの働きと通り道を入れ替えて問われる。「胎盤を通るのはIgG、母乳はIgA」の2つを軸に覚えよう。

  • IgG=血液中で最も多い。唯一胎盤を通り、生後しばらく児を守る
  • IgA=初乳に多く、腸や気道などの粘膜を守る
  • IgM=感染したとき最初に作られる。胎児期から自分で作れる
  • IgE=アレルギーと寄生虫の感染に関わる
  • IgD=血液中にごくわずかで、働きははっきりしていない

参考: 小児看護学(小児の免疫と感染予防)/人体の構造と機能(免疫グロブリン)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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