第105回 看護師国家試験 午前 問78 解説
📝 問題
うつ病で入院している患者が「自分は重大な過ちで皆に迷惑をかけてしまいました。死んでおわびします」という妄想を訴えた。この患者にみられるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 自分の過ちで皆に迷惑をかけたと信じ込み、償わなければならないと訴えるのは罪業妄想である。
うつ病では、落ち込んだ気分に沿って内容がゆがんだ妄想が現れる。その代表が罪業妄想で、「取り返しのつかない過ちを犯した」「自分のせいで皆に迷惑をかけた」と、自分を責める内容をとる。
心気妄想と貧困妄想もうつ病でみられるが、訴えの中身が違う。追跡妄想と被毒妄想は、統合失調症などでみられる被害的な妄想である。
「死んでおわびします」という言葉は、自責の念が自殺の危険につながっていることを示す。訴えを否定も肯定もせず、つらさを受けとめたうえで安全を確保する。
- 1
罪業妄想正解
自分が重大な罪を犯した、償わなければならないと確信するのが罪業妄想である。自殺につながりやすく、見守りを強める必要がある。
- 2
心気妄想不正解
心気妄想は「治らない重い病気にかかっている」と信じ込むもので、検査で異常がなくても訴えが続く。
- 3
追跡妄想不正解
追跡妄想は「誰かにつけられている」と信じ込む被害妄想の一つで、統合失調症でみられる。
- 4
被毒妄想不正解
被毒妄想は「食べ物や薬に毒を入れられた」と信じ込むもので、食事や服薬を拒む形で現れる。
- 5
貧困妄想不正解
貧困妄想は「お金がなくなり生活できない」と信じ込むもので、実際には預金があっても訴えが変わらない。
📚 混同しやすいので注意
妄想は、名前と中身を入れ替えて問われる。どの状態で現れる妄想かとセットにして覚えよう。
- うつ病でみられる微小妄想=罪業妄想(罪を犯した)・心気妄想(重い病気だ)・貧困妄想(お金がない)
- 統合失調症でみられる被害妄想=追跡妄想(つけられている)・被毒妄想(毒を入れられた)・注察妄想(見張られている)
- 躁状態でみられる誇大妄想=自分は偉大だ、特別な力があると信じ込む
参考: 精神看護学(気分障害の看護)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について