第105回 看護師国家試験 午前 問68 解説

📝 問題

頭部CT(別冊No.3)を別に示す。出血部位について正しいのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 出血しているのは、頭蓋骨と硬膜の間の硬膜外腔である。

写真では、頭蓋骨の内側にぴたりと接した凸レンズ型の白いかたまりが見える。この形が硬膜外血腫の典型で、血液がたまっているのは頭蓋骨と硬膜の間の硬膜外腔である。血腫に押されて脳が反対側へずれ、脳室の形も左右で違って見える。

硬膜外血腫は、頭を打って頭蓋骨が折れ、その内側を走る中硬膜動脈が切れて起こることが多い。動脈からの出血なので短時間でたまる。 打った直後は受け答えができ、しばらくしてから急に意識が悪くなる経過(意識清明期)をとるのが特徴である。

他の部位では見え方が違う。皮下組織の出血は頭蓋骨の外側にできる。くも膜下出血は脳の溝や脳底の脳槽に沿って白く広がり、脳実質内出血は脳の中に塊をつくる。脳室内出血では、黒く写る脳室の中が白くなる。

  • 1

    皮下組織不正解

    皮下組織の出血は、頭蓋骨の外側、頭皮の下にできる。写真の白いかたまりは頭蓋骨の内側にある。

  • 2

    硬膜外腔正解

    頭蓋骨と硬膜の間にたまった血液で、頭蓋骨に沿った凸レンズ型に見える。硬膜が骨に張りついているため横に広がりにくく、厚みのある形になる。

  • 3

    くも膜下腔不正解

    くも膜下出血は脳の溝や脳底の脳槽に入り込み、白い線が枝分かれしたように見える。

  • 4

    脳実質内不正解

    脳実質内出血は脳の中に塊をつくり、周りに黒く写るむくみ(浮腫)を伴うことが多い。

  • 5

    脳室内不正解

    脳室内出血では、ふだん黒く写る脳室の中が白くなる。

📚 混同しやすいので注意

頭蓋内の出血は、CTでの形と切れる血管を入れ替えて問われる。「凸レンズ型は硬膜外、三日月型は硬膜下」と形で見分けよう。

頭蓋内出血のCT像と特徴
出血の部位CTでの形切れる血管・経過
硬膜外血腫頭蓋骨に沿った凸レンズ型中硬膜動脈。意識清明期のあとに急に悪化する
急性硬膜下血腫脳の表面に沿った三日月型架橋静脈。脳そのものの損傷を伴い、意識障害が続く
慢性硬膜下血腫三日月型で、時間がたつと黒っぽく写る軽い頭部外傷の1〜2か月後に、高齢者で認知症のような症状や片麻痺が現れる
くも膜下出血脳の溝・脳槽に沿って広がる脳動脈瘤の破裂。突然の激しい頭痛

参考: 標準的な脳神経外科学(頭部外傷とCT所見)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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