第105回 看護師国家試験 午前 問31 解説
📝 問題
腹部の検査の画像(別冊No.2①〜④)を別に示す。生体の代謝を利用した検査はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 生体の代謝を利用しているのは、ブドウ糖の取り込みを画像にする陽電子放出断層撮影である。
陽電子放出断層撮影(PET)は、ブドウ糖によく似た薬を注射し、それが多く集まった場所を画像にする検査である。 癌細胞はふつうの細胞よりブドウ糖をさかんに取り込むので、そこだけ強く光る。 見ているのが体の形ではなく細胞の代謝である点が、ほかの検査との違いになる。
見分け方は、体を輪切りにした断面の全体に色がのっているかどうかである。これは断面に薬の集まり具合を色で重ねたもので、肝臓の中の丸い部分が強く光っている。超音波の画像は扇形に写り、色がつくのは血液の流れている場所だけである。
残りの3枚は体の形や血液の流れをうつしたもので、代謝までは分からない。
PET〈ペット〉とは
ブドウ糖に似た薬を注射し、それが多く集まる場所を画像にする検査。糖をさかんに使う癌細胞をさがすのに使う。
カラードプラ法とは
超音波を当てて、血液が流れる向きと速さを赤と青の色で表す方法。血管の詰まりや逆流を調べる。
- 1
①不正解
腹部の単純X線写真で、X線の通りやすさの差から腸のガスや石灰化の形をうつす。写るのは形だけである。
- 2
②不正解
腹部CTで、X線を回しながら当てて体の断面の形を細かくうつす。臓器の位置や大きさは分かるが、細胞の働きまでは見えない。
- 3
③正解
輪切りにした断面の全体に、ブドウ糖に似た薬の集まり具合を色で表している。糖をさかんに使う細胞ほど強く光る、代謝を利用した検査である。
- 4
④不正解
腹部超音波のカラードプラ法で、見ているのは臓器の形と血液の流れである。放射線も薬も使わない。
📚 国試でよく狙われるところ
画像検査は、名前と「何を使って何を見るか」を入れ替えて問われる。使うものと見えるものを対にして覚えよう。
| 検査 | 使うもの | 見えるもの |
|---|---|---|
| 単純X線撮影 | X線 | 骨・ガス・石灰化の形 |
| CT | X線 | 体の断面の形 |
| MRI | 強い磁石と電波 | 体の断面の形(軟らかい組織に強い) |
| 超音波 | 超音波 | 臓器の形と血液の流れ |
| PET | 放射性の薬 | 細胞の代謝 |
参考: 系統看護学講座 臨床検査/系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について