第105回 看護師国家試験 午前 問118 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。Aさん(50歳、女性)は、子宮頸癌の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。 Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ がんの末期は介護保険の特定疾病にあたるため、要介護認定の申請手続きを促すのが最も適切である。
Aさんは50歳で、介護保険の第2号被保険者にあたる。40〜64歳の人は、決められた特定疾病にあてはまるときに介護保険を使える。子宮頸癌の終末期は、特定疾病の「がん(末期)」にあたる。
要介護認定を受ければ、訪問介護・訪問入浴・福祉用具の貸与などを介護保険で利用できる。 夫自身にも不全麻痺があり、介護の担い手を増やすことが「介護に自信がない」という不安への具体的な答えになる。
残る3つは、この不安に応えない。 経済的には安定していて生活保護の対象ではなく、自費で人を雇う前に使える制度がある。訪問リハビリテーションは体の動きを保つのに役立つが、介護の担い手が増えるわけではない。
- 1
生活保護の手続きをするよう促す。不正解
生活保護は、資産や収入では生活を維持できない人を対象とする制度である。経済的には安定していると書かれており当てはまらない。
- 2
要介護認定の申請手続きをするよう促す。正解
40〜64歳でも、がんの末期は特定疾病にあたり介護保険を使える。認定を受ければ訪問介護や福祉用具の貸与で夫の負担を減らせる。
- 3
家事をしてくれる人を雇用するよう促す。不正解
自費で人を雇えば費用の負担が続く。まず介護保険で使えるサービスを整えることが先になる。
- 4
訪問リハビリテーションの利用を勧める。不正解
訪問リハビリテーションは体の動きを保つために役立つが、介護に自信がないという夫の不安に直接応えるものではない。
📚 国試でよく狙われるところ
介護保険は「何歳から、どんなときに使えるか」を入れ替えて問われる。65歳以上は原因を問わず、40〜64歳は特定疾病のときだけ、と対にして覚えよう。
- 特定疾病は16あり、がんの末期・脳血管疾患・初老期における認知症・関節リウマチ・筋萎縮性側索硬化症などが含まれる
- 申請の窓口は市町村で、認定は原則30日以内に行われる
- 認定を待たずに暫定のケアプランでサービスを使い始められる。認定の効力は申請した日までさかのぼる
参考: 介護保険法/厚生労働省 介護保険制度の概要
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について