第104回 看護師国家試験 午後 問81 解説
📝 問題
小脳の機能はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ 小脳は姿勢反射の調節と随意運動の制御を担う。
小脳は、体のバランスと動きのなめらかさを受け持つ。 筋や関節から届く感覚と、大脳が出した運動の指令を照らし合わせ、ずれを直して姿勢反射を調節し、随意運動をなめらかに仕上げる。 障害されると、立つとふらつき、手を伸ばすと目標を行き過ぎ、動きがぎこちなくなる。
ほかの選択肢は、小脳以外が受け持っている。 関節の角度を知るのは深部感覚で、感じ取るのは大脳の体性感覚野である。 振動感覚を大脳へ中継するのは視床、痛みを抑える下行性の経路は中脳から延髄を通って脊髄へ下りる。
深部感覚とは
筋・腱・関節から届く、手足の位置や動き、力の入りぐあいの感覚。目を閉じていても自分の姿勢が分かるのはこのはたらきによる。
- 1
関節角度の知覚不正解
関節の角度や手足の位置を知るのは深部感覚で、脊髄の後索から視床を通り、大脳の体性感覚野で感じ取る。小脳はこの情報を動きの調節に使う。
- 2
振動感覚の中継不正解
感覚を大脳へ中継するのは視床である。振動感覚も後索から視床を経て大脳に届く。
- 3
姿勢反射の調節正解
前庭や筋・関節からの情報をもとに姿勢を保つ反射を調節し、体の傾きを立て直す。
- 4
随意運動の制御正解
大脳が出した運動の指令と実際の動きのずれを修正し、動きをなめらかにする。
- 5
下行性の疼痛抑制不正解
痛みを抑える下行性の経路は、中脳の中心灰白質から延髄を経て脊髄へ下りるもので、脳幹が中心になる。
📚 混同しやすいので注意
小脳の障害は、どんな症状が出るかで問われる。「動きは出せるが、なめらかにできない」の一点で束ねて覚えよう。
- 運動失調=立つとふらつき、歩幅を広くとって不安定に歩く
- 測定障害=指鼻試験で目標を行き過ぎたり、手前で止まったりする
- 企図振戦=目標に近づくほど手のふるえが大きくなる
- 小脳性の失調は開眼していてもふらつく。閉眼で急に悪くなるRomberg〈ロンベルグ〉徴候陽性は、深部感覚の障害を示す
参考: 解剖生理学(神経系)の教科書
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について