第104回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
前立腺癌の治療薬はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 前立腺癌の治療には、男性ホルモンの働きを断つ抗アンドロゲン薬が用いられる。
前立腺は男性ホルモン(アンドロゲン)の刺激を受けて働く臓器で、前立腺癌もアンドロゲンを受け取って大きくなる。アンドロゲンの多くは精巣でつくられる。 そこで、薬で抑えるときの柱になるのが、この刺激を断つホルモン療法である。抗アンドロゲン薬は、癌細胞側にある受け取り口をふさいで増殖を止める薬である。
他の選択肢は、別の病気に使う薬である。インターフェロンはウイルス性肝炎、α交感神経遮断薬は前立腺肥大症、抗エストロゲン薬は乳癌に用いる。
- 1
インターフェロン不正解
インターフェロンはウイルスの増殖を抑える薬で、B型・C型肝炎や腎癌、多発性硬化症に用いる。
- 2
α交感神経遮断薬不正解
α交感神経遮断薬は尿道と前立腺の平滑筋をゆるめる薬で、前立腺肥大症による排尿障害に用いる。
- 3
抗アンドロゲン薬正解
抗アンドロゲン薬は男性ホルモンの働きを断ち、前立腺癌の増殖を抑える。
- 4
抗エストロゲン薬不正解
抗エストロゲン薬は女性ホルモンの働きを断つ薬で、ホルモン受容体陽性の乳癌に用いる。
📚 混同しやすいので注意
前立腺癌と前立腺肥大症は、できる場所も治療も違うのに入れ替えて問われる。「癌は外側でホルモン療法、肥大症は内側で排尿の薬」と対にして覚えよう。
| 項目 | 前立腺癌 | 前立腺肥大症 |
|---|---|---|
| できる場所 | 外側(辺縁域)に多い | 内側(移行域)に多い |
| 症状 | 初期は乏しく、進行して排尿障害や骨転移の痛みが出る | 排尿の勢いの低下・頻尿・残尿感 |
| 主な検査 | PSA・直腸診・針生検 | PSA・直腸診・残尿測定 |
| 主な治療 | 手術・放射線療法・ホルモン療法 | α交感神経遮断薬などの薬物療法・経尿道的切除術 |
参考: 系統看護学講座 成人看護学(腎・泌尿器)/日本泌尿器科学会 前立腺癌診療ガイドライン
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について