第104回 看護師国家試験 午前 問68 解説
📝 問題
精神科病院に医療保護入院をしている患者から退院請求があった。入院継続の適否について判定するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 退院請求を受けて入院継続の適否を判定するのは精神医療審査会である。
精神科病院への入院と退院の手続きは精神保健福祉法が定めている。 入院している人とその家族等は、都道府県知事に対して退院請求や処遇改善請求を行うことができる。
この請求を受けて入院を続ける必要があるかどうかを審査するのが精神医療審査会である。都道府県と政令指定都市に置かれ、精神障害者の医療に関する学識経験者や法律に関する学識経験者などで構成される。 病院から独立した立場で、医療保護入院の届出や措置入院者の定期病状報告も審査する。
他の選択肢は、個々の入院の適否を判断する権限をもたない。
処遇改善請求とは
入院中の行動制限や面会・通信の扱いを見直してほしいと求めること。退院請求と同じく都道府県知事に対して行う。
- 1
保健所不正解
保健所は地域の精神保健相談や訪問指導、措置入院の申請の受付などを担う行政機関で、入院の適否そのものを判定する場ではない。
- 2
地方裁判所不正解
地方裁判所が扱うのは民事や刑事の裁判である。精神保健福祉法にもとづく退院請求の審査は行わない。
- 3
精神医療審査会正解
退院請求・処遇改善請求の審査に加え、医療保護入院の届出や定期病状報告の審査も行う。
- 4
地方精神保健福祉審議会不正解
地方精神保健福祉審議会は、都道府県知事の求めに応じて精神保健福祉の施策を調査審議する機関で、個々の患者の入院は扱わない。
📚 ここも一緒におさえておこう
精神科の入院は、誰の同意で入るかを入れ替えて問われる。同意する人と手続きを対にして覚えよう。 医療保護入院は2024年4月から入院期間に定めが置かれ、入院から6か月までは3か月以内、それ以降は6か月以内の期間を定めて入院する。続けるには精神保健指定医が要件を確認し、家族等の同意を得て更新する。市町村長の同意による医療保護入院者などを対象に、都道府県が入院者訪問支援員を派遣して話を聴き、生活の相談や情報提供を行う入院者訪問支援事業も始まった。
- 任意入院=本人の同意による入院。まずこれを検討する
- 医療保護入院=本人の同意が得られないとき、精神保健指定医の診察と家族等の同意で行う
- 措置入院=自傷他害のおそれがあるとき、2人以上の精神保健指定医の診察が一致して都道府県知事が行う
- 応急入院=急を要して家族等の同意が得られないとき、指定病院で72時間まで行う
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/厚生労働省「精神保健福祉法の改正について」
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について