第104回 看護師国家試験 午前 問60 解説

一般小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

A君(8歳、男児)は、先天性内反足の手術後、両下腿のギプス固定を行う予定である。手術前にA君に対してギプス固定後の日常生活に関する説明をすることになった。A君に対する看護師の説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ ギプスを巻いた足を心臓より高くして、腫れを防ぐように説明する。

手術のあとの足は腫れる。ギプスで囲まれた中で腫れが強くなると、血管や神経が押されてコンパートメント症候群を起こし、筋肉や神経が傷む。

そこで、ギプスをした下腿を心臓より高くして過ごすよう、A君にも分かる言葉で伝える。枕やクッションで足首から先まで支える。 あわせて足の指の運動を続けてもらい、指の色・温かさ・しびれ・痛みを自分でも確かめられるようにする。

他の選択肢は、A君の生活を必要以上にせばめる。ギプスをぬらさないように包めばシャワー浴はできる。指を動かさないでいると血液の流れが滞り、腫れとこわばりが強くなる。8歳なら車椅子で動けるので、ベッド上で過ごし続ける必要はない。

コンパートメント症候群とは

筋肉を包む区画の中の圧が高まり、血液の流れが妨げられて筋肉や神経が傷む状態。ギプスによる圧迫や手術後の腫れで起こる。

  • 1

    「シャワー浴はやめておきましょう」不正解

    ギプスをビニールなどで包んでぬらさないようにすれば、シャワー浴はできる。皮膚を清潔に保つことはトラブルの予防にもなる。

  • 2

    「ギプスの部分を高くしておきましょう」正解

    手術後の腫れを抑えるため、ギプスをした足を心臓より高い位置に保つ。枕やクッションで足全体を支える。

  • 3

    「足のゆびを動かさないようにしましょう」不正解

    逆。指を動かすと血液の流れが保たれ、腫れやこわばりを防げる。動かしたときの色や感覚の変化は、異常に気づく手がかりにもなる。

  • 4

    「ギプスを外すまでベッド上で過ごしましょう」不正解

    8歳であれば車椅子で移動でき、遊びや学習の場にも出ていける。動かないでいると筋力が落ち、その機会も減ってしまう。

📚 国試でよく狙われるところ

ギプス固定の看護は、腫れの予防と、圧迫による障害の早期発見がそのまま問われる。異常の合図は、Pain・Pallor・Pulselessness・Paresthesia・Paralysisの頭文字をとって5つのPとよばれる。次の5項目でまとめて覚えよう。

  • 痛み=ギプスの中で強くなる痛みは危険な合図。
  • 蒼白=指先が白く、または紫色になる。
  • 脈の消失=足背の脈が触れにくい。
  • 感覚の異常=しびれる、触られた感じが鈍い。
  • 運動の麻痺=指を動かせない。

参考: 系統看護学講座 小児看護学/系統看護学講座 成人看護学(運動器)

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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