第103回 看護師国家試験 午後 問61 解説
📝 問題
Aちゃん(3歳0か月)は、午後から38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、Aちゃんは、体温38.5℃、呼吸数30/分、心拍数120/分、血圧102/60mmHgであった。 入院時のAちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 髄膜炎が疑われ傾眠傾向がみられる児では、意識レベルの観察を最も優先する。
細菌性髄膜炎では、炎症で脳が腫れて頭蓋内圧が上がる。 すでに傾眠傾向がみられるAちゃんは、意識レベルが下がりはじめた段階にある。 ここから短時間でけいれんや呼吸の抑制へ進むことがあるため、意識レベルを続けて観察し、変化をいちはやくつかむ。
他の3つは優先度が下がる。 冷罨法は発熱でつらいときの安楽を図るケアで、病状の変化はつかめない。 頭蓋内圧が高いときは上半身を15〜30度挙上する姿勢をとる。 大泉門は生後1歳6か月ごろまでに閉じるため、3歳のAちゃんには触れる大泉門がない。
傾眠とは
声をかけると目を覚ますが、放っておくとすぐ眠ってしまう状態。意識レベルが軽く下がっていることを示す。
- 1
冷罨法を行う。不正解
冷罨法は発熱でつらいときの安楽を図るケア。熱は下がっても、悪化のきざしをつかむ手段にはならない。
- 2
水平仰臥位を保つ。不正解
逆。頭蓋内圧が高い児では上半身を挙げた姿勢をとる。水平にすると頭からの血液の戻りが妨げられ、圧はさらに上がる。
- 3
意識レベルを観察する。正解
意識レベルの低下は髄膜炎の悪化を最も早く映す。傾眠から昏睡へ進む前に気づける。
- 4
大泉門の状態を観察する。不正解
大泉門は1歳6か月ごろまでに閉じる。3歳のAちゃんでは触れないため、観察そのものができない。
📚 国試でよく狙われるところ
細菌性髄膜炎は、症状と観察の優先順位を組にして問われる。発熱と嘔吐に意識の変化が加わったら髄膜炎を疑う、と結びつけて覚えよう。
- 髄膜刺激症状=項部硬直とケルニッヒ徴候。乳児でははっきり出ないことも多い
- 頭蓋内圧亢進の3徴=頭痛・嘔吐・うっ血乳頭。乳児では大泉門の膨隆や甲高い泣き声で現れる
- 診断は髄液検査で確定する。細菌性では髄液が濁り、細胞数が増えて糖が下がる
参考: 小児看護学テキスト(脳・神経疾患のある子どもの看護)/日本神経学会ほか「細菌性髄膜炎診療ガイドライン」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について