第103回 看護師国家試験 午後 問55 解説
📝 問題
加齢による視覚の変化とその原因の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 加齢で毛様体筋が萎縮すると、近くにピントを合わせられなくなる老視が起こる。
近くを見るときは、毛様体筋が縮んで水晶体を厚くし、ピントを合わせる。加齢でこの筋が萎縮し、水晶体も硬くなると、厚みを変えられなくなって近くが見えにくい老視になる。 40歳代から始まり、新聞を離して読むようになるのが典型的なサインである。
他の3つは、変化と原因の組合せが入れ替わっている。色が見分けにくくなるのは水晶体の黄変によるもので、眼圧とは関係がない。 視野が狭くなるのは加齢そのものではなく、緑内障などの病気で起こる。 明暗順応が遅くなるのは瞳孔の反応が鈍り網膜の感度が落ちるためで、水晶体の硬化が招くのは老視である。
毛様体筋とは
水晶体の周りにある筋。縮んだりゆるんだりして水晶体の厚みを変え、ピントを合わせる働きをする。
- 1
老視 ── 毛様体筋の萎縮正解
毛様体筋が萎縮し水晶体も硬くなると、近くにピントを合わせられなくなる。これが老視である。
- 2
色覚異常 ── 眼圧の亢進不正解
加齢で色が見分けにくくなるのは水晶体が黄色く濁るためで、眼圧の亢進は緑内障の原因である。
- 3
視野狭窄 ── 散瞳反応時間の延長不正解
視野狭窄は緑内障などの病気で起こる。散瞳反応の遅れが招くのは、暗いところで見えにくくなる明暗順応の低下である。
- 4
明暗順応の低下 ── 水晶体の硬化不正解
明暗順応の低下は瞳孔の反応の鈍化と網膜の感度低下による。水晶体の硬化が招くのは老視である。
📚 混同しやすいので注意
加齢による目の変化は、変化と原因を入れ替えて問われる。「どこが硬くなり、どこが濁り、どこが縮むか」で見分けよう。
- 水晶体が硬くなる→老視。厚みを変えられず、近くが見えにくい。
- 水晶体が濁る→白内障。かすんで見え、まぶしさが強くなる。
- 瞳孔が小さくなり反応が遅れる→明暗順応の低下。夜間の運転や暗い廊下で転びやすい。
- 涙の分泌が減る→眼の乾燥。まばたきを意識し、必要なら点眼で補う。
参考: 老年看護学(加齢による感覚機能の変化)の教科書
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について