第103回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 注入中にファウラー位をとるのは、栄養剤の逆流を防ぐためである。
経鼻経管栄養では、鼻から胃へ入れたチューブに栄養剤を注ぐ。 仰向けのままだと栄養剤が食道へ逆流し、誤嚥性肺炎につながる。 そこで注入中はファウラー位(半座位)にして、重力で栄養剤が胃にとどまるようにする。 上体を起こす角度は30〜45度を目安にする。 注入が終わってからも30分から1時間はこの姿勢を保つ。
残る3つは、行うこと自体は正しいが目的が入れ替わっている。 注入前の吸引はチューブの位置と胃の残り具合の確認、微温湯はチューブの詰まりの予防、注入後のチューブの閉鎖は栄養剤の漏れと空気の流入を防ぐためである。
- 1
注入前に胃内容物を吸引する ── 消化の促進不正解
注入前の吸引は、チューブが胃に入っていることの確認と、前回の栄養剤がどれだけ残っているかの確認のために行う。
- 2
注入中はFowler〈ファウラー〉位にする ── 逆流の防止正解
注入中にファウラー位をとると、重力で栄養剤が胃にとどまり、食道への逆流と誤嚥を防げる。
- 3
注入終了後に微温湯を流す ── 誤嚥の予防不正解
注入後の微温湯は、チューブのなかに残った栄養剤を流し、詰まりと細菌の増殖を防ぐために行う。
- 4
注入終了後はチューブを閉鎖する ── 嘔吐の予防不正解
注入後にチューブを閉鎖するのは、栄養剤の漏れと空気の流入を防ぐためである。
📚 国試でよく狙われるところ
経鼻経管栄養は、手順と「何のためにするか」を入れ替えて問われる。注入前・注入中・注入後の3つに分け、目的とセットで覚えよう。 現在は気泡音を聴くだけでチューブの位置を判断せず、胃内容物の吸引や口のなかの観察、印を付けた長さの確認を組み合わせて確かめる。
| 手順 | 目的 |
|---|---|
| ①チューブが胃に入っていることを確かめる | 気管への誤挿入を防ぐ |
| ②上体を起こしてファウラー位にする | 栄養剤の逆流と誤嚥を防ぐ |
| ③栄養剤を体温程度に温めて注入する | 下痢や腹痛を防ぐ |
| ④終了後に微温湯を流す | チューブの詰まりと細菌の増殖を防ぐ |
| ⑤終了後もしばらく上体を起こしたままにする | 逆流と誤嚥を防ぐ |
参考: 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会「経鼻栄養チューブ挿入の安全確保」/系統看護学講座 基礎看護学 基礎看護技術
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について