第103回 看護師国家試験 午後 問20 解説
📝 問題
鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルを入れるときに起こりやすいのは気胸である。
鎖骨下静脈は、肺尖(肺のいちばん上)のすぐ近くを走っている。針を進める向きが少しずれると胸膜を破り、空気が胸腔へもれて肺がしぼむ気胸が起こる。 穿刺のあとに息苦しさ・胸の痛み・患側の呼吸音の低下が出たら、まず気胸を疑う。
他の選択肢は、この穿刺で直接起こる合併症ではない。肺炎と無気肺は痰の貯留や換気の不足で起こり、嗄声は反回神経が障害されたときの症状である。
- 1
肺炎不正解
肺炎は細菌やウイルスが肺に入って起こる感染で、穿刺の手技そのものからは起こらない。
- 2
気胸正解
鎖骨下静脈は肺尖の近くを走るため、針が胸膜を破ると空気がもれて気胸になる。
- 3
嗄声不正解
嗄声は反回神経が障害されたときに出る症状で、甲状腺の手術などでみられる。
- 4
無気肺不正解
無気肺は痰などで気管支がふさがり肺の一部がしぼむ状態で、術後の痰の貯留で起こりやすい。
📚 ここも一緒におさえておこう
中心静脈カテーテルは、どこから入れるかで起こりやすい合併症が変わる。部位ごとの違いと、どの部位でも共通する注意をセットで覚えよう。 どの部位でも起こりうるのが空気塞栓で、挿入と抜去のときは頭を低くし、息を止めてもらう。 挿入後は胸部エックス線写真で先端の位置と気胸の有無を確かめてから輸液を始める。
| 挿入部位 | 起こりやすい合併症 |
|---|---|
| 鎖骨下静脈 | 気胸・血胸(肺尖が近い) |
| 内頸静脈 | 動脈の誤穿刺・血腫(頸動脈が隣を走る) |
| 大腿静脈 | 感染・深部静脈血栓症(鼠径部で汚れやすい) |
参考: 標準的な成人看護学(中心静脈カテーテル挿入時の合併症)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について