第103回 看護師国家試験 午後 問2 解説
📝 問題
循環式浴槽の水質汚染によって発生するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 循環式浴槽の水質汚染で発生するのはレジオネラ肺炎である。
レジオネラ属菌は土や水にふつうにいる細菌で、20〜50℃のぬるい水と汚れがそろうと循環式浴槽の配管の中で増える。 そこにできた細かい水しぶき(エアロゾル)を吸い込むと肺炎を起こす。温泉や公衆浴場での集団発生が繰り返し報告されている。
うつるのは水しぶきからで、人から人へは感染しない。 予防は貯湯槽の湯を60℃以上に保つこと、浴槽水の塩素消毒、配管の内側にたまる汚れ(生物膜)の除去である。
エアロゾルとは
空気中に漂う細かい水や粒のこと。シャワーや循環式浴槽から立ちのぼる、目に見えないほどの水しぶきがこれにあたる。
- 1
B型肝炎不正解
B型肝炎はB型肝炎ウイルスが血液や体液を介して伝わる感染症で、針刺し事故・性的接触・母子感染が主な経路である。浴槽の水では広がらない。
- 2
マラリア不正解
マラリアはハマダラカに刺されて感染する原虫の病気で、日本国内で感染することはほとんどない。
- 3
レジオネラ肺炎正解
循環式浴槽の水で増えたレジオネラ属菌を、水しぶきとして吸い込んで発症する。高齢者や免疫の落ちた人で重くなりやすい。
- 4
後天性免疫不全症候群〈AIDS〉不正解
後天性免疫不全症候群はHIVによって免疫が壊される病気で、性的接触・血液・母子感染で伝わる。日常の入浴では感染しない。
📚 ここも一緒におさえておこう
レジオネラ症は、病型と法律上の扱いまで問われる。肺炎の型だけで終わらせずに覚えよう。 重い肺炎を起こすレジオネラ肺炎のほかに、発熱と筋肉痛が数日で治まるポンティアック熱という軽い型がある。 感染症法では4類感染症にあたり、診断した医師は直ちに保健所へ届け出る。
参考: 厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」/感染症法
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について