第103回 看護師国家試験 午後 問12 解説
📝 問題
呼吸困難がある患者の安楽な体位はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 呼吸困難がある患者が安楽なのは起坐位である。
起坐位は、上体を起こして前かがみになり、オーバーテーブルなどにもたれる姿勢である。息が苦しいとき、患者が自然にとる姿勢でもある。
楽になる理由は2つある。 横隔膜が腹部の臓器に押し上げられずにすみ、肺が広がりやすくなること、下半身に血液がとどまって心臓へ戻る血液(静脈還流)が減り、肺のうっ血がやわらぐことである。
心不全や気管支喘息では、横になると苦しくなり、起き上がると楽になる起坐呼吸がみられる。
静脈還流とは
全身をめぐった血液が心臓へ戻ってくる流れのこと。上体を起こすと下半身に血液がとどまり、心臓へ戻る量が減る。
- 1
起坐位正解
上体を起こして前かがみになる姿勢で、横隔膜が下がって肺が広がりやすくなり、肺のうっ血も減る。
- 2
仰臥位不正解
仰臥位は背中をつけてあおむけに寝る姿勢である。腹部の臓器が横隔膜を押し上げ、心臓へ戻る血液も増えるため、呼吸困難はかえって強まる。
- 3
砕石位不正解
砕石位はあおむけで両脚を上げて開く姿勢で、婦人科の診察や肛門の手術のときにとる。呼吸を楽にする姿勢ではない。
- 4
骨盤高位不正解
骨盤高位は腰を高くして頭を低くする姿勢で、骨盤内の手術や検査のときにとる。腹部の臓器が横隔膜を押し上げるため呼吸は苦しくなる。
📚 ここも一緒におさえておこう
呼吸困難の看護は、体位のほかにどんな援助をするかまで問われる。楽な姿勢と呼吸法をセットで覚えよう。
- 口すぼめ呼吸=鼻から吸って、口をすぼめてゆっくり吐く。気道がつぶれるのを防ぎ、息を吐きやすくする
- 腹式呼吸=腹部をふくらませて吸う。横隔膜を使うため、少ない力で多く換気できる
- 衣服やベルトをゆるめ、室温と湿度を整え、そばに付き添って不安をやわらげる
参考: 系統看護学講座「基礎看護技術」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について