第103回 看護師国家試験 午前 問84 解説
📝 問題
日和見感染症の起炎菌はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・5
💡 解説
✅ 日和見感染症の起炎菌にあたるのは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌と緑膿菌である。
日和見感染は、健康な人には病気を起こさない弱い病原体が、抵抗力の落ちた人に感染して発症することをいう。手術後、高齢、抗癌薬や免疫抑制薬の使用、糖尿病などが背景になる。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、多くの抗菌薬が効かなくなった黄色ブドウ球菌で、院内感染の代表になる。緑膿菌は水回りなど湿った環境にふつうにいる菌で、消毒薬や抗菌薬が効きにくい。
他の選択肢は、抵抗力の落ちていない人にも感染して発病させる菌である。
- 1
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉正解
多くの抗菌薬が効かない黄色ブドウ球菌で、手術後や免疫の落ちた入院患者に感染を起こす。
- 2
インフルエンザ菌不正解
インフルエンザ菌は、健康な乳幼児にも細菌性髄膜炎や急性喉頭蓋炎を起こす。
- 3
A群溶連菌不正解
A群溶血性レンサ球菌は健康な小児に咽頭炎や猩紅熱を起こし、急性糸球体腎炎の原因にもなる。
- 4
髄膜炎菌不正解
髄膜炎菌は健康な人にも、急激に進む髄膜炎や敗血症を起こす。
- 5
緑膿菌正解
水回りなど湿った環境にいる弱い菌で、抵抗力が落ちた人に肺炎や尿路感染を起こす。
📚 国試でよく狙われるところ
日和見感染は、原因になる病原体の名前がそのまま問われる。細菌だけでなく真菌・ウイルスまで束ねて覚えよう。
- 細菌=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、緑膿菌、多剤耐性緑膿菌、バンコマイシン耐性腸球菌。
- 真菌=カンジダ、アスペルギルス、ニューモシスチス(免疫の落ちた人の肺炎を起こす)。
- ウイルス=サイトメガロウイルスや、水痘‐帯状疱疹ウイルスの再活性化。
- 防ぐ柱は標準予防策で、手指衛生に、病原体の広がり方に応じた感染経路別予防策を重ねる。
参考: 厚生労働省「医療機関における院内感染対策について」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について