第103回 看護師国家試験 午前 問29 解説
📝 問題
心臓の自動的収縮について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 心臓には興奮を伝える刺激伝導系がある。
心臓は神経の命令がなくても、自分でリズムを作って動く(自動能)。 その電気の信号を心臓全体へ配る道すじが刺激伝導系である。
信号は洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維の順に伝わる。出発点は右心房にある洞房結節で、ここが心臓のペースメーカーにあたる。
自動能とは
神経から命令されなくても、心臓が自分でリズムを作って収縮する性質。
- 1
運動神経で促進される。不正解
心臓の動きを速めたり遅くしたりするのは自律神経である。運動神経は骨格筋を動かす神経で、心臓には向かわない。
- 2
興奮を伝える刺激伝導系がある。正解
洞房結節で生じた興奮を心臓全体へ配る刺激伝導系があり、これによって心房と心室が順序よく収縮する。
- 3
ペースメーカーはHis〈ヒス〉束である。不正解
本来のペースメーカーは洞房結節である。ヒス束は房室結節から心室へ信号を渡す部分で、洞房結節が働かないときの予備にとどまる。
- 4
中脳の血管運動中枢による支配を受ける。不正解
血管運動中枢は延髄にある。この中枢は血管の太さと血圧を調節するはたらきで、心臓が自分で動くこととは別である。
📚 ここも一緒におさえておこう
刺激伝導系は「どこが止まるとどうなるか」で問われる。上にあるものほど信号が速い、という一本で覚えよう。
- 洞房結節は1分間に60〜100回の信号を出し、心臓全体のリズムを決める
- 洞房結節が止まると房室結節が代わりに信号を出すが、40〜60回程度に遅くなる
- さらに下のプルキンエ線維まで下がると20〜40回とさらに遅くなる
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能 解剖生理学
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について